まずは光熱費編。
「電気代や水道代を浮かせるために、洗濯はため込んでから一気にしました。講義が終わると、図書館や学生ホールに入り浸って、疲れて早く帰りたいと思っても、帰宅するとエアコンをつけたりして電気代がかかるから『まだ帰っちゃダメ!』って、自分に言い聞かせていました。ストレスを感じましたね」
続いて食費編。
「祖母が送ってくれたお米とスーパーで買う納豆が、入学当初のメインディッシュでした。だんだん飽きがきて、でもきちんとした食事を作ろうと思ってもひとりでは食べきれず食材を捨ててしまうこともありました。もったいないので、またごはんと納豆……。食べることが好きな私にとっては、なんか悲しいというか、むなしくなるんです」
そんな食のストレス。解消するために選んだアルバイト先は、大学から自宅の中間地点にある定食屋さんだった。
「人生初めてのアルバイトでした。時給は1000円。2年間ぐらい働いていました。まかないはありませんが、店のメニューを半額で食べられました。いちばん好きだったのはすき焼き定食とレバニラ定食。ただ、少しでも安いサバの塩焼きと焼きうどんをよく食べていました」
現在はハワイアン料理店とライブなどのイベントスタッフの短期バイトを組み合わせて稼ぎ、就職活動にも追われている。
「食費は平均1日1000円で収めようとしています。朝ごはんはあまり食べないですね。昼食は、家でおにぎりを作って持ってきたり。学食はほとんど使いません。夜はスーパーで食材を買って自炊します」
家に帰っちゃダメ、と自分に言い聞かせることは、もうなくなったそうだ。
節約のため食べない日も
静岡県出身の原田恵さん(仮名、大学4年)は、
「家賃が9万円、オートロックです。それと生活費で5万円仕送りしてもらっています」
合計14万円。大学1年の10月から翌春まで、駅前の惣菜店でのアルバイトを続けたが、選んだ理由は明快。
「廃棄する惣菜をもらいたかったからです。あとは自宅から近かったからですね。1年生のときは時間割がキツキツで、あまりバイトに入れないと正直に言ったら落とされたこともありました」
時給は1000円。それと惣菜の売れ残り。食費を切り詰めるのは今も習慣になっていて、
「1日1000円くらいに抑えようと思っています。1日3食、食べない日もあります。休日も、予定が何もないときは昼ごろまで寝たり、家から一歩も外に出ないことも多いですね」
と、すっかり倹約家だ。