それにしても、過去のジャニーズ事務所の退所組と比較すると、退所から再始動まで、かなりスピーディーな印象を受ける。これについて、ある芸能ジャーナリストは、「TOKYO MXという選択がよかったのでは」と言う。

「現在、MX制作の番組にジャニーズタレントがレギュラー出演する番組はありません。元SMAPで『新しい地図』の3人が出演するAbemaTVなどのインターネットTVもそうですが、ジャニーズタレントが携わっていないメディアという隙間を狙えば、ある程度、自由な活動ができるわけなんですよね」

 とはいえ、多くのファンがこの顔ぶれを見ると、ジャニーズ時代を思い出すことは明白だ。それまでと同じ雰囲気を漂わせた状態での“再始動”は、ジャニーズ側にとっては、あまり望ましいことではないのではないだろうか。

“隙間”で勝負

 そこは、「新しい地図の3人の活躍も影響を与えているのでは」と、前出の芸能ジャーナリストは言う。

「たとえ、実際にはそうでなくても、彼ら3人の活動が制限されると『圧力がかかった』と、結びつけられてしまう時代。どちらかというと、テレビ局などが勝手に空気を読んで、控えているような状況です。

 でも、現役ジャニーズと脱ジャニーズが“丸かぶり”しなければ、お互い問題ないといったところで落ち着いています。まさか、ほぼフルメンバーがそろった形で彼らの姿が見られるとは思っていなかったファンの喜びぶりを思えば、そこはよかったのではないでしょうか」

 そして、現在のボーイズグループアイドルを取り巻く事情も影響しているのではないかと、同ジャーナリストは分析する。

「ジャニーズ以外の芸能事務所から、明らかに“ジャニーズっぽい”感じを漂わせるボーイズグループが次々と誕生し、それぞれに人気を得ています。さらには韓国系のグループも続々と日本に進出しています。

 彼らもそれぞれの『隙間』を見つけながら順調にファンを増やしていますが、ジャニーズファンの母数は段違いなうえ、あくまでも『隙間』しか狙えていない状況です。そう思うと、たとえJr.でも確実に一定のファン数が存在するわけですから、ジャニーズの威力は衰えていませんね」

 無事に初回放送をすませた元『Love-tune』。今後は安井も合流し、7人そろっての活動再開もあるのか、期待度は上がるばかりだ。

<取材・文/渋谷恭太郎>