タブーにしたくない産後うつ
ブームにしたいバギーラン
日々の育児を中心に発信しているインスタグラムでは、育児に関する相談のDMが届くこともしばしば。そんなやりとりや、これまでディープな部分までは公表してこなかった自身のつらい経験も踏まえ、今後やりたいことがあるという。
「マタニティー・ブルース、いわゆる産後うつについて、もっと発信していきたいと思っています。実は私自身も、子どもが4か月のときに日本に帰ってきて、いきなりひとりで育児をすることになり、毎日、泣いて過ごした時期がありました。助けを求めれば助けにきてくれるのに、母親である私がやらなきゃいけないと思ってしまう自分がいて、周囲に隠していたんです」
当時は、実際には泣いていないのに泣き声が聞こえたり、どこかうつろで“アウェイな自分”がいたとか。その後、群馬から東京に引っ越したことでつらい状態から抜け出せたものの、育児に追い詰められた母親による痛ましい事件を耳にすると、共感できる部分が多く、やりきれない気持ちになる。
「友達が産後うつ状態になったときは、“ひとりで治るものじゃないよ”とアドバイスしました。今思えば、なんでそれを自分に言ってあげられなかったのかなって。そうなってしまうのは、産後うつに対して母親になったら乗り越えなきゃいけないこと、という風潮がいまだにあるから。ひとりで抱え込まずみんなで話し合えるよう、私から発信できることを考えています」
もうひとつ、日本のママたちに広めたいと思っていることも。
「出産して子どもが小さいうちは、運動は無理とあきらめてしまいがちなママたちにおすすめしたいのが、今、私もハマっているバギーラン。日本のメーカーからはまだ発売されていませんが、海外ではランニング用のベビーカーがあるんです。タイヤが大きく子どものハーネスもしっかりしていて、私が使っているものにはブレーキもついています。
双子を乗せてガンガン走っていますよ。日本では、広く安全なコースが少ないなどの課題もありますが、これからは赤ちゃん連れのママも外でアクティブに過ごすことが普通になるよう、変えていきたいですね」
取材・文/當間優子
山田ローラ(やまだ・ろーら)1988年9月23日生まれ。モデル。2015年にラグビー山田章仁選手と結婚し、2016年9月には双子を出産。現在は両親とともにハワイで暮らす。「アスリートフードマイスター3級」と「ヘルスコーチング(健康カウンセリング)」の資格を持つ。