服のどこかにいつもシミがついている
美波さん(33歳、仮名)は5つ上の憲治郎さん(仮名)と、お見合いをした後、交際に入りました。しかし、3回目のデートを終えて、交際終了を申し入れてきました。
「実はお見合いのときから、ネクタイについていたシミが気になっていました。真ん中に丸く茶色くついていたので、最初はそういう模様なのかと思ったんですが、目を凝らしてよくよく見たらシミでした」
ただ服にシミをつけてしまうのは、誰でもあること。
「私だってパスタや汁ものを食べているとき、気をつけていてもよくシミをつけてしまう。だから、その日はたまたまシミをつけてしまったけれど、気がついていないのかなと思いました」
ところが、デートをするたびに、着てくる服に必ずといっていいくらいシミがついているというのです。
「最初のネクタイのシミが気になっていたから、私もついついチェックしてしまって(笑)。シミって、すぐに落とさないと残ってしまいますよね。彼はシミがついていても平気なのか、シミが古くなっているから洗濯しても落ちないのか、そこはわかりませんが」
そして、3回目のデートで水族館に行ったときのこと。そのときの服装とシミのつき具合が“もうこの人との結婚はない”と思わせるほどの衝撃だったというのです。
「最初は、『お台場海浜公園に行こう』と言っていたのですが、朝から雨が降っていたので、急きょ、品川の水族館に場所を変更しました。水族館前で待っていると、遠くからランニングを終えた市民ランナーみたいな人がやってくるんです。“まさか!”と思いました」
“まさか”は、的中! 近づいてくるに従って、それが憲治郎さんだとわかり、美波さんは絶句しました。
「テレテレとした素材の白いTシャツに短パン、ハイソックスみたいに長い靴下をはいていました。靴はナイキのスニカーでしたが、紫の蛍光色でやたら足元だけが派手でした。そして、Tシャツにはお決まりのシミが。しかも、Tシャツのあちこちにシミがあって、白だからそれが余計に目立つんです」
その日、水族館で魚やイルカたちを見ても、“きれいだな”“癒されるな”という気持ちにはなれず、“一刻も早く側を離れたい”“帰りたい”と思ったとか。
そして、このデートを最後に“交際終了”を決意しました。
婚活ファッションは、清潔感が何より大事
人それぞれに好きなファッションがあると思います。ファッションは、その人の個性ですし、基本的には自分が好きな服を着ればいいと思うのです。
ただファッションで個性を出すほどに、それを受け入れてくれる層が少なくなっていくのも事実です。
そして、ファッションにはTPOも大事ですから、ホテルのラウンジでお茶をするのに、ダメージジーンズや短パンを履いて行くのは、場にそぐわない格好といえるでしょう。
また、ハイキングや公園を散歩して自然を満喫したデートをしようというときに、おしゃれなハイヒールをはいて行ったら歩きづらいですし、砂利やぬかるんだ土でせっかくのヒールが台無しにしてしまいます。
婚活においてのファッションの鉄則は、ますは清潔感。そして、自分の身体のサイズに合った服を選ぶこと。
流行を追ったり、個性を強調したりするよりも、シンプルで誰からも好感が持たれるファッションを心がけるほうが、失敗がありませんよ。
鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/