ジャニー社長の“教え”を後輩に継承
エンターテイメントの最前線で活躍していた彼らが、なぜ今プロデュース業に力を入れているのだろうか。
「かつてはジャニー社長や名のある振付師がJr.に指導をしていました。しかし、社長が亡くなって振付師も一線から退き、ジャニーさん流の教えを伝えられる人が少なくなってしまった。そこで、彼の教えを受けたタレントたちが後輩に継承しようとしているのではないでしょうか」(前出・芸能プロ関係者)
ビジネス評論家の山田修氏は、タレントがプロデュース業に関わるようになった背景には、2つの要因があると指摘する。
「1つは、ジャニーズ事務所で経営者の世代が交代したことです。事務所の経営の第一世代は、ジャニー社長と彼の姉であるメリー喜多川副社長でした。企業の経営はメリーさんが担当して、ジャニーさんはタレントのプロデュース業に専念していました。彼が亡くなって、9月に滝沢さんが副社長に就任し、プロデュース業に関して世代交代が行われました。
しかし、第一世代より組織が巨大化し、滝沢さんひとりでは負担が重すぎるため、業務分担することになったのではないでしょうか。300人以上いるJr.の中で、活躍する人材を生み出すためには仕組みを強化しなければなりませんからね」
2つ目は、優秀なタレントたちへキャリアパスを提供することだ。
「タレント全員にセカンドキャリアを用意することはできませんが、後輩を育てることができる優秀な人には、プロデューサーという中間管理職として、キャリアパスを示してあげるのです」(山田氏)
第一線で活躍するタレントが、将来アイドルであることに限界を感じたときも、プロデューサーというセカンドキャリアがあれば事務所を辞めず、裏方として第2の人生を歩めるかもしれない。
新社長・滝沢秀明が示す新しい道
芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は、3つ目の要因として“滝沢改革”をあげる。
「滝沢さんがジャニー社長の代わりになって、個々のタレントの能力を引き出そうとしているのだと思います。プロデューサーに関しては、光一さんや松本さんをはじめ、セルフプロデュースにたけた人を選んでいる印象です。そうすれば、ジャニーズ全体が盛り上がります。誰かがそこで成果を出せば、“自分もやりたい”と考える人も出てくるはず。アイドルであることに不安や限界を感じている人にとっても、新しい道を示すことにつながるのでは」
4つ目は、新たなファンの獲得だ。
「外部の有名なプロデューサーに頼む方法もありますが、業界内で有名な人でも一般の人には認知度が低いことが多い。その点、現役のジャニーズがプロデュースするとなれば、名前を出しやすいですし、プロデュースしたタレントのファンが来ることも期待できます。例えば、松本さんがJr.の公演をプロデュースすれば、彼のファンが訪れる可能性が高い。ジャニーズ事務所は先輩、後輩を大事にする事務所ですから、後輩を引き立てることにもつながります」(佐々木氏)
最前線を走るタレントたちにプロデュースされたJr.が活躍するのが楽しみだ!