二宮和也の結婚発表という衝撃のニュースが飛び込んできたのは11月12日の夜11時を過ぎたあたりだった。
お相手は元フリーアナウンサーのIさん。交際5年に及ぶふたりの結婚は時間の問題とされていたが、嵐が来年いっぱいで活動休止に入ることになっていて、またジャニー喜多川さんの喪が明けないうちは結婚はないだろうというのが、大方の見方だった。早くとも’21年の1月だと。それはIさんも了解済みだという報道も出ていたほどだ。
しかし、一方では、活動休止のころにIさんは40歳になるということもあり、子どもが欲しいと思っていた二宮が事務所に「来年まで待てない」と訴えているという報道も。それらは「今年中に結婚する」という見解だった。
つまり、どの媒体も結婚のタイミングをつかめていなかったということだ。
最終的な結果は後者となったわけだが、実は、“結婚発表がある"という情報は、発表が明らかになる数時間以上も前にマスコミ内を駆け巡っていた。
またもや『文春砲』
「夕方にはスポーツ紙やテレビ局、一部懇意にしていた雑誌媒体に話は伝わっていたようですが、情報解禁は22時(実際は23時)という話になっていたんです。こういった大きな発表があるときは関係の深い媒体に“事前報告”するということが業界のセオリーです」(芸能プロ関係者)
しかし、二宮がファンクラブのサイトで発表する23時、その“情報解禁”の前の17時前に、『日刊大衆』(『週刊大衆』のWEB版)が“フライング”の第一報を打ち、SNS界隈を大いに騒がせた。それに続き、数時間後の21時ごろ、『文春オンライン』(『週刊文春』のWEB版)も記事を掲出。この記事がヤフーニュースの主要トピックスに選出されて、多くの人が知るところとなった。
《国民的人気グループ嵐の二宮和也(36)が、近く結婚を発表することが「週刊文春」の取材で分かった》(文春オンライン)
と、「近く」をつけ断定調でないあたりもニクいところ。終わってみれば、『日刊大衆』が世間をざわつかせたあと、『文春』が世間に広めたといったかたちだ。
「マスコミ業界というのはとても狭く、スポーツ紙やテレビ局に流れた情報は秘密裏にすぐ出回ってしまい、各週刊誌も知るところとなります。
そのなかでも『文春』をはじめとした“ジャニーズに忖度のない”雑誌がフライングをしてスクープを獲りにいったかたちですね。今は雑誌も各々WEBに媒体を持っていて、かつてはスピードでは敵わなかったスポーツ紙などと同等、場合によってはしのぐほどの速報性を持っているんです」(スポーツ紙記者)
昨今は多くの媒体が自社サイトだけでなく、ヤフーニュースをはじめとした多くのニュース配信サイトに記事を出稿し、その“役割”を果たしている。重視されるのはスピードと情報の正確性である。
メディアは日々そういった速報合戦を繰り広げているわけだ──。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌などで取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。