「このような機会をいただけることに感謝して、しっかりと務めさせていただきます」
そう意気込むのは、元『タッキー&翼』の今井翼。昨年のジャニーズ事務所の退所後、初の舞台出演を決めた。
「'14年にメニエール病を発症。昨年からは療養のため無期限の活動休止を発表していましたが、体調が順調に回復したため舞台復帰を決めたそうです」(スポーツ紙記者)
復帰の場は、来年2月公演の片岡愛之助が主演を務める歌舞伎『NOBUNAGA』。歌舞伎の舞台に立つのは、意外な気もするが─。
「今井さんは過去にも愛之助さん主演の歌舞伎に出演しています。和と洋をコラボした作品で、彼が得意なフラメンコも披露していました」(同・スポーツ紙記者)
滝沢秀明と交わらぬ方向性、「アイドル」と「本物」
古巣・ジャニーズと歌舞伎も無関係ではない。
「滝沢秀明さんが'06年に『滝沢演舞城』を始めたとき、ジャニーさんには歌舞伎のノウハウがなかった。そのため、『スーパー歌舞伎』のスタッフに舞台装置や衣装などのアドバイスをもらっていたそうです。そういった意味では、ジャニーズにも“歌舞伎イズム”が浸透していますね」(梨園関係者)
だが歌舞伎を選んだ理由には“元相方”滝沢との方向性の違いも垣間見えるという。
「タッキーは、もともとジャニーさんの跡を継ぐという気持ちが強く、“キラキラしたアイドル文化”を作っていきたいと考えていました」(制作会社スタッフ)
日本のアイドルは、歌やダンスが下手でも“一生懸命、取り組む姿”がエンターテイメントとして成立するが、
「今井さんは“ホンモノ”に身を置きたいタイプです。芝居なら、一流の役者たちの間に自分も立ちたいと思っています」(同・制作会社スタッフ)
彼が芝居に目覚めるきっかけを作ったのは、映画監督の山田洋次だった。
「'17年公演の舞台『マリウス』で、主役として山田監督から大抜擢され、かなりシゴかれたそうです。後に雑誌のインタビューで《芝居における“育ての親”は山田監督》と断言するほど、そのときの体験を大事にしています」(前出・スポーツ紙記者)
38歳という年齢もあり、アイドル活動ではなく、本格的な芝居をやっていくことを打ち出したかったのだろう。
「歌舞伎はプロ集団であり、ほかの舞台と違って稽古期間も短いんです。そんな“大人”な役者たちの中で、ブランクのある自分がどれだけ通用するのかを試してみたいのかもしれませんね」(前出・制作会社スタッフ)
“夢物語”第二部の幕が上がる─。