事件の1か月前の10月5日の土曜日、初めて訪れた近所の飲食店で、
「ランチに来てね。スーツ姿でカウンターの真ん中に座って、向こうから話しかけてきたんですよ。若いのに珍しいなと思ってね。仕事を尋ねると、“探偵をやっています”と。“でも、母親がほかの仕事にしなさいと言うんです”と言っていました。もしかしたら、事件を起こすために探偵事務所にしたのかねぇ」(店主)
先の探偵業界関係者は、次のように語る。
「われわれは秘密の職業ですから、職業は絶対に名乗らない。それに、探偵事務所は人殺しや、違法行為を教えるわけではないですから。不倫の調査などが多いので、せいぜい尾行程度ですよ」
たぶん、マザコン
一方、継父への不満は昔から続いていたようだ。
前出・同級生が打ち明ける。
「中学時代の友達の噂で“あいつは出入りしている二岡との仲が悪いんだって”と聞いたことがあります。だから、もう15年近く前から快く思っていなかったんですね」
5年前、母親は今回の現場となった東久留米市に一戸建ての家を購入。一家はそこへ移り住んだが、1、2年前に「そろそろ自立しなさい」と言われ、容疑者は現在のワンルームマンションへ。
「仲が悪かった継父がそう母に言わせたんだと思ったんだろうね。離れていても、母親とは連絡をとり合っていて、イタリア旅行のことも知っていた。たぶん、マザコンで、母親をとられた恨みが積もり積もっていたんだろう」
前出の店主はそう推し量る。
容疑者は中学校の卒業DVDのメッセージコーナーで目をクリクリさせながら、
「自分はこの行事(合唱祭)で、一時のテンションに身を任せて大変なことになりました……」
と発言。人気マンガでの有名なセリフを借用したもののようだが、カッとなる自分の性格を自覚していたのかもしれない。
今回も一時のテンションを爆発させ、取り返しのつかないことになってしまった。