デカすぎる熱帯植物たち
3つのドームに分けられた館内において、まずは「木生シダと水辺の景観」がテーマのAドームを行く。植物の緑がパッと広がる原生林に、室内とは思えない滝が映える。非日常空間に気分が高まる。
順路をたどり、生い茂る草花の中でまず目についたのが、概念を覆す太すぎる竹。
「ゾウタケといって、主に東南アジアで栽培される世界でいちばん太い竹です。現地では直径30センチメートルになるものもあります」(高橋館長、以下同)
地域環境に応じて、やたらと巨大化する傾向があるのも熱帯植物の特徴のひとつ。
中央にヤシの木群が生えるBドームは、その名も「ヤシと人里の景観」。10階建てマンションに相当する、高さ約28メートルの天井に届くほどのヤシに、これ以上成長したらドームが……、と勝手に心配してしまう。またところどころでなるヤシの実がと心配が絶えないが、落ちるのは無人の場所なので大丈夫だそう。
そして「小笠原の植物とオウギバショウ」のCドームでは、扇を広げたような「オウギバショウ」に圧倒される。
東京都でありながら“秘境”とも呼ばれる小笠原諸島は、火山島であるため独自の進化を遂げた島。そこで育った貴重な植物の数々を堪能できるのも、同館ならでは。
もちろん、世界各地で咲く色とりどりの花や、珍しい形態の植物も見逃せない。各植物には、名前とともに説明書きも添えられているので、ただ見るだけでなく背景も知ることができる。
「“見ごろの花”も毎月ご紹介しています。1~2月はキンカチャという、ツバキ科の黄色い大きな花が咲きます。またバレンタインデーがあるので、“夢の島カカオ&チョコレート展”(2月4日~24日)と題して、生産地の様子やチョコレートができるまでの工程を展示で紹介します。もちろん、植物館にもカカオの実がなっていますよ」