こりん星からやってきたりんごももか姫は、“りこん”の星の下に生まれてきたのか──。小倉優子に、またも離婚の危機が降りかかっている。
'16年に美容師の元夫による“ゲス不倫”の末に離婚し、ふたりの子どものシングルマザーになったが、'18年に歯科医と再婚。幸せいっぱいの生活を送っているかにみえたのだが、第三子妊娠中に旦那が家を飛び出し別居状態であることが判明した。
現在、現夫は弁護士を立ており、離婚とふたりの子どもとの養子縁組の解消を求めるやりとりをしているようで「生まれてくる子どもとも会いたくない」と、とんだ“ゲスケープ”を図ろうとしているらしいのだ。家庭のために芸能活動をセーブしてほしいといったことからすれ違いが生じ、口論が絶えなくなったのが原因だとか。
前夫・美容師の不倫も最悪だし、歯科医もかなりヒドいが、夫婦の仲を違わせた真相は本人たちにしかわからない。ただ、短いスパンで2回も離婚騒動が起こったり、週刊誌で「意志が強く非常に気が強い」性格と報じられたからだろうか。ネットで同情の声に負けじと多く寄せられたのはこんな声だった。
《旦那さんがそこまで拒絶するって一体何があったんだろ。事務所総出でなにか隠してるのかな》
《一度の離婚ならまだしも、この短期間に二度の離婚となると、彼女自身にもだいぶ問題があるんだと思う。しかも子供が親からの愛情を一番必要とする時期にスピード再婚して、今度はスピード離婚の危機とかちょっと酷い》
今や『好きなママタレ』の最右翼となって久しい彼女に、なぜこのようなコメントがつくのか。
──ゆうこりんといえば、これまで生き馬の目を抜く芸能界のなかでさまざまな立ち位置を模索してきた“キャラ変の歴史”がある。
“同情できる×こりん星人”
『アサヒ芸能』('10年11月11日号)によると、デビュー当時は、《怖いもの知らずの女子高生という感じでした。声はかなりハスキーで、篠原ともえのような喋り方。『THE夜もヒッパレ』(日テレ系)では、『三宅さんとお泊りしちゃったんです! キャー! でも、全部、ウソピョーン!』などとはしゃぎまくって司会の三宅裕司らをドン引きさせた》といった“トランス状態”を感じさせるキャラ設定だったという。
そんな彼女が19歳のときにみつけた「こりん星人」キャラはその後、10年続くロングセラーとなる。そこからは株や為替、ゴルフに手を出したりと、「おじさん受け」キャラにも手を染めてみたりもした。次第に「こりん星」に限界を感じ始めると、突然、テレビで「こりん星はウソ。もうこりん星はやめます」発言。いや、ウソも何も誰が信じてたっちゅうねん、という話だが、そこから前夫の美容師と結婚・出産すると、料理本をヒットさせるなど「ママタレキャラ」という高競争率のサバイバルゲームに参戦することを決めた。
オリコン主催の『好きなママタレント』ランキングで前年の圏外から1位に躍り出るという快挙を遂げたのは'17年、くしくも離婚し、芸能界に復帰した年であった。「仕事と育児を健気に頑張る」姿に応援の声が集まった結果だという。
言い方は少し悪いかもしれないが、この「同情を生む」キャラというのが絶大な支持を集めたわけだ。そこに本人も味をしめたのか、つい昨年11月に出演した『人生最高レストラン』(TBSテレビ)では、
「(こりん星キャラは)事務所に無理やりやらされていた」
「大学ではひとりも友達ができなかった。こりん星って言っている私と友達になりたくないだろうなと思って自分から声をかけられずにいた」
といったように、「同情できる×元こりん星人」という合わせ技でポイントを稼ぐようになった。技術点・芸術点ともにかなり完成形に近いキャラ造形である。CMもバンバン舞い込んで来るわけだ。しかし、そんな絶頂期に今回の“離婚危機報道”が舞い込んできた。妊娠中に夫に出ていかれたのに、ここでもゆうこりんは《夫を支える妻として私の至らない点がありました》とコメントしてみせる。
しかし、そんな“最善の対応”にもかかわらず、ネットニュースに寄せられたのが上記のような非難めいた声たちなのである。被害者はゆうこりんに違いないのに。このような意見があがってしまうのはひとえに、「キャラ変を繰り返してきたがゆえの本質のみえなささ」が原因なのかもしれない。
コロコロ変わる言動と、それに合わせたキャラクター。その鎧を脱ぎ捨てた“素”の状態の彼女を誰も思い描けないからこそ、逆にうがった想像をしてしまうのではないか。世間に発信し続ける「良き母・良き妻」の姿が、今回の「スパンの短い2度の離婚騒動」と重ならなくなったわけである。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉