「当事者同士でサポートしあうピアサポートというものがあります。『乳幼児の子を育てている』というように、同じ特徴を持っている者同士が気持ちをシェアすることで、お互いに前向きに物事を捉えられるようになることがあります」

 大事になるのは共感が生まれることだ。

「答えを出すというよりも、話したことに対して『そうそう』と言ってもらえることが大事です。肯定的なフィードバックをもらえることで安心感が生まれます」

「安心できる場」をどう探すか

 だが、オンラインならではの対策も必要だ。攻撃的な人がいた場合は、対処を考えなければならない。リアルに会って開催されてきた子育てサークルや子育てひろば以上にファシリテーターが果たす役割は大きい。また、安心して参加するためには、誰が主催している会なのかの情報を確認することも必要だ。

「普段通っている子育てひろばなどがあれば、そこが主催する集まりがないかを見てみるのが良いと思います。自治体のHPに情報が掲載されていることもあります。そうしたところから入ってみるのが良いでしょう」

 また、交流の場は中止しつつも、子育ての電話相談窓口は引き続き開いている自治体がほとんどだ。たとえば横浜市は、普段から区ごとに開設している子育て相談窓口「子育てパートナー」を通常通り継続している。

 市の担当者は「集いやひろばは中止ですが、セーフティーネットとしての機能は通常通り開いています。不安や心配なことがあれば相談を」と呼びかけている。

 出口がなかなか見えないコロナ禍。コロナ虐待が起こらぬよう、支援の広がりに期待する。


宮本 さおり(みやもと さおり)ライター 地方紙記者を経てフリーライターに。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。