芸能人を“叩く”と売名できる
一方、叩く側に「売名目的というか、パフォーマンス狙いもあるのでは?」と話すのは、ネット事情に詳しいフリーライターの渋井哲也さん。
「絡むことで話題を集め、アピールになる。パフォーマンスがうまければ、N国みたいに選挙に当選しちゃう人も出てくる。そんな狙いもあるでしょうね。芸能人の政治的発言を嫌がる人は多いけれど、政治的話題の賛否を示さないことは、暗に現状維持を望むという意思表示になり、それもひとつの主張。政治的発言を避けているようで結局、政治的なんです」(渋井さん)
元検事総長を含む検察OBも改正案への反対声明を発表するなど、さまざまな立場からの批判を集める検察庁改正法案。今後、どう推移していくのか? 前出の青木さんは、広島地検の動きに注目する。
「近く広島地検は河井克行・前法相の立件に踏み切るようです。昨年7月、妻の案里氏が参院選に出馬した際に河井前法相は現金を地元政界にばらまいていて、公職選挙法が禁ずる買収の容疑がかけられています。この参院選では案里氏陣営に自民党から1億5000万円が渡っていたことも明らかになっています」
河井前法相は首相補佐官も務めた安倍総理の側近中の側近で、現職の国会議員だ。
「買収は金を出した側も罪に問われます。こうした検察捜査の追及を止めるため、安倍首相は黒川氏を検事総長にしておかなければならないと考えたのではないか、そう疑う声も当然出てくるでしょう。広島地検の捜査が審議に影響を及ぼす事態になれば、改正案はおろか、政権そのものが深刻な打撃を受けることも予想されます」(青木さん)