ここ数年、人材の流出が目まぐるしいジャニーズ事務所。今度はTOKIOの長瀬智也である。来年の春、41歳にしてアイドル卒業と相成るという。
今後についてはずいぶん不明瞭な点も多く「裏方に回る」とのみ報じられている。しかも、そこにつけて母親が『週刊文春』の取材に応じ「そんなことないと思いますよ」とやんわり否定してみせるのだから、世間も動向に注目、といったところであろう。
TOKIOといえば、日本一の男性アイドル事務所にいながらにして、数少ないバンド形式でのデビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』の企画では、そのバンドの枠すら飛び越え、農家や土木作業員顔負けのガチな技術力や資格を持つようになり、本業なはずの“歌って踊る”とは異なる路線で輝いてきたグループである。
かつて、長瀬本人もTOKIOのライブについて、《男の子がたくさんきてくれたこともうれしかったな。最終の武道館のとき、『メッセージ』を歌ってたら、サビのところで俺のマイクをガーっとつかんでガンガン歌ってくれたんだよね(笑)》(『ポポロ』2002年6月)と、述べている。そんなアイドルのライブあります……?
「姉が履歴書を送った」は本当か
この特殊なグループにおいて特に我が道を行くメンバーが長瀬だった。“趣味への傾倒”は凄まじく、ハーレーダビッドソンを20台所有していたり、ギターを何本も所有し、自宅に音楽スタジオを作ったりと、スケールもでかい。バイク、ギターについて語る雑誌連載を抱えるなど、仕事のチョイスもマニアだ。イケメンすぎる所ジョージといった感じか。2017年には裏アカとみられるものが流出したにも関わらずバイクやギターの投稿ばかりだったので、逆に好感度が上がるという不思議な現象さえ起こった(現在は削除済み)。
とにかく、長瀬が駆け抜けてきた芸能人生は、ほぼ、“アイドルから逸脱したところにあった”といっていい。
ここで気になるのが、逆に「いつまでアイドル然としていたのか」ということだ──。
当時、“150万分の1の倍率”でジャニーズ事務所に入所し、TOKIOに最年少メンバーとして、最後に加入したという話はすでにテレビなどで知られているところだが、その入所のきっかけについてはいまいち思い出せない人もいるだろう。
ネットで調べると、Wikipediaをはじめ、多くのサイトが「姉が本人に内緒で履歴書を送った』としている。いかにもアイドルのデビュー秘話にありがちな文句で、『自分で応募しただろ嘘つけ」となるが、長瀬の場合なんだか信じられる。しかし、実は姉の影響でなく、“自薦”してしたのでは? という疑問も浮かび上がってきた。