「ジャニーズのカウントダウンコンサートが開催される東京ドームや、コンサートやイベントが頻繁に行われる横浜アリーナのほか、コンサートにつきものなのが“音漏れ参戦”です。その名の通り、会場から漏れ聞こえてくる歌やMCで参加している気分になるのです。出待ちをするファン同様に、信号を無視したり私有地に無断侵入したりと、近隣住民から度々マナー違反を指摘され、時に通報されて警察が出動する場合もあります。注意されるとその場を離れるのですが、すぐに別のファンが群がってキリがない。

 そんな音漏れ参戦者であふれるのが、歌がよく聞こえる屋外コンサートのアラフェスです。特に旧国立競技場では音がよく漏れていた千駄ヶ谷方面には、ファンがそこら中にウロウロし、よって治安の悪化も懸念されます」(レコード会社関係者)

 新国立競技場の最寄り駅「JR千駄ヶ谷」までの間には、860年に創建された鳩森八幡神社、1976年に竣工された将棋会館を中心に、古くからある戸建住宅や低層マンションの住宅地、商店街が広がっている。この千駄ヶ谷の街を、数万人規模のファンが縦横断するのだ。

地元住民はクラスターを心配

 もちろん、各種イベントやスポーツが行われてきた国立競技場だ。これまでも住民はそんなオーディエンスを受け入れてきた歴史がある。近隣のマンションに住む女性に話を聞くと、

コンサートの音自体より、特に女性の歓声がすごく大きく響くんです(苦笑)。でも、コンサートは数日間だけのことですから、“千駄ヶ谷に住む以上はしょうがない”とみな諦めています。でも、今年ばかりはちょっとね。コロナがまだどうなるかわからないじゃない? 若い人は無症状だっていうし、私のような高齢者も多いでしょ? もしもコンサートに来た人から、コロナが千駄ヶ谷に広がったら、と思うと怖いわね。心配しすぎなのかもしれませんけれど」

 個人商店を営む店主はというと、

「若い子がたくさん来ても商店街でほとんど買わないから、実際は潤わないんだよ。大変なのはコンビニやチェーン店のミニスーパー。レジ待ちの長蛇の列ができるし、店内はかなり混雑するから、それこそ“密”になるんじゃないかな。(アラフェスは)いつやるの? まだ決まってないのなら“やめた方がいい”とは、来年の五輪のこともあるし簡単には言えないのかな(苦笑)」

 コロナが終息していない現状では、やはり快く歓迎というわけにはいかないようだ。

「今は何をやっても“自粛”という風潮です。10月開催の方向で話が進められているとは言いますが、いざ“アラフェス開催”を発表しても叩かれることは目に見えています。とはいえ、嵐のラストイヤーに中止となってはファンクラブ会員も納得はしないでしょう。最近では有料のオンラインライブ配信という手段もありますし、そうすればファン全員が参加できて、地元の方も安心なので丸く収まる気はします。英断が待たれますね」(前出・レコード会社関係者)

 仮にアラフェスに関するクラスターが起きれば、一番心苦しいのは嵐の5人だろう。