4:“見逃しフル配信”されない意外な理由

 インターネット上で、いつでもテレビ番組を視聴できる“見逃し配信”が近年、浸透中。TBS系のドラマも『Paravi』や『TVer』で視聴できるのだが、現在放送中の『半沢直樹』の本編はいまだに配信されていない。

「『半沢直樹』は現状、ネットではダイジェストと次回予告しか配信されていないんですよ。“テレビ離れ”と言われる中、ドラマが注目されたことでせっかく新しい視聴者を取り入れるチャンスなのですが……」(TBS関係者)

 話題のドラマなのに、なぜウェブ上で配信できないのか。そこには意外な理由があった。

「主演の堺さんが所属する事務所『田辺エージェンシー』は保守的なところがあって、上層部が、“テレビでしか見られないからこそ価値がある”という考えのため『半沢直樹』のフル配信を許していなんです」(同・TBS関係者)

 実際、今期放送中のTBS系ドラマ『MIU404』や『私の家政夫ナギサさん』は、通常どおり配信中だ。

 やはり、堺の所属事務所の意向が働いているのか。TBSに問い合わせてみると、

「番組制作過程は従来お答えしていません」

 と、否定はしてこなかった。

「現状ですと1回見逃してしまうと再放送を待つか、DVDになるのを待つしか視聴する方法はありませんね」(前出・TBS関係者) 

 ただでさえ見逃せないのだから、早くウェブでも視聴できるようにしてほしい!

5:逆境と熱意が生んだ名ゼリフの数々

 流行語になった「倍返し」は、今作でも健在。さらに“お、し、ま、いDEATH!”などの新しい決めゼリフも登場してドラマを盛り上げている。

「原作の小説には香川照之さんが演じる大和田常務は登場しませんが、ドラマではあの存在感の強さもあって続投。原作を忠実に再現するのではなく、作品をとことん面白くしようとする制作側のサービス精神が感じられますね」(テレビ解説者の木村隆志氏)

 意欲にあふれる現場では、俳優の演技合戦が盛り上がっているようだ。

「印象的なセリフの多くは、キャストのアドリブから生まれています。いろいろな演技プランのアイデアを持ち寄って監督やプロデューサーと意見を交わし合っているからこそ、セリフが生きた言葉になっているんでしょうね」(木村氏、以下同)

 モチベーションは高かったが新型コロナウイルスによって撮影がストップすることに。

「緊急事態宣言が出されたことで、3話の途中でドラマの収録は中断。再開まで期間が空いてしまいましたが、それでもキャストたちの作品に対する気持ちが落ちることはなかったようです」