酔って相談できる相手はメンバー・松岡昌宏だけ

 そして、肝心の“酒癖”に関して。これについての記述が残っているのが、2002年(30歳当時)に行われた5歳年下のメンバー・松岡昌宏との対談だ。TOKIOのなかで「最強&最悪コンビ」と雑誌に形容されたふたりが、お互いの居心地の良さを語る一幕。

《山口:酔っ払って気にせず電話できる唯一の相手が松岡かも(笑)。(中略) 松岡にはムチャなことを言えるんだよ。

松岡:ま、兄ぃにひとつだけ言えるとしたら、酒癖はよくしたほうがいい(笑)

山口:ごめん。ホントにそれは変わらない(笑)。申し訳ないんだけど変わらないんだよ(爆笑)。で、酔ってどうしようもなくなったときに面倒をみてくれるのは、この人だけですから(笑)。

松岡:ホントに参っちゃうね。ちょっとポポロ向きの話題に変えよう》(『ポポロ』2002年8月号)

'20年、長瀬智也退所について直撃を受ける松岡昌宏
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 山口の泥酔キス事件を受けてTOKIOが開いた会見、そこで松岡は山口に正直、あなたは病気です」と叱責していたことを明かしている。「決してお酒が悪いんじゃない。悪いのは彼ですから。その甘さと、自分の考えを改めてもらえない限り、俺たちは何もできない」と突き放したと。今振り返るとこの発言がかなり深い意味を持っていたことがわかる。これまで何年間、何度、松岡は山口の酒癖について注意してきたのだろう。そしていま、会見ので“兄ぃ”を切り捨てる発言をしなければならない心境はどんなものだろう。

 今年の7月に『株式会社TOKIO』の設立を発表した際には、「なんだかんだ言って、TOKIOというのは、デビューしたあの5人なので。そこはこれからも変わらない。やってきた絆は絶対なので」とコメントしていた。そんな矢先の逮捕劇。一部報道によると、再結成も見えてきたかというタイミングでの不祥事に松岡は“大荒れ"なんだという。当たり前だ。

 いくらアルコール依存症に苦しめられていようと、泥酔状態でバイクを運転する・しないの選択には大きなハードルがあり、そこを「事故さえ起こさなければ捕まらないと思った」(現在は供述自体を否定しているが)と飛び越えられるのは、やはり普通ではない発想だ。これが松岡のいう“甘え”だとするならば、この根源はどこからくるのか──。