Hey! Say! JUMPの山田涼介(27)と俳優の田中圭(36)が凸凹バディの刑事を演じ、凶悪事件に挑むTBS系連続ドラマ『キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木』(以下『K2』)が、10月16日で最終回を迎える。
『K2』で見せた山田の新しい魅力
主演の山田が演じるのは、生真面目なキャリアの新人・神崎隆一で、田中は、破天荒で直観力と洞察力がピカイチの黒木賢司を演じる。
本作の特徴は、序盤はあくまでコミカルで、1話完結で描かれる事件も、開始早々に犯人が視聴者にわかってしまうほどシンプルであること。しかし、この「コミカルさ」「シンプルさ」が、終盤でのシリアスな展開で、「切なさ」を誘う仕掛けとして機能している。
その「コミカルさ」「シンプルさ」を背負っているのが、山田演じる神崎なのだが、毎話、目と鼻を真っ赤にして、すぐに感情移入して泣いてしまう単細胞ぶりで笑いを引き出している。
放送前から「異母兄弟」という設定があったが、ストーリーが進むにつれ、それは事実ではなく、とある事件でつながる「容疑者の息子と、刑事の息子」ということが発覚する。
実は神崎が「容疑者の息子」だったことに怒りと悲しみで感情を爆発させるわけだが、このクライマックスとなる芝居のキモは、涙のシーンではなく山田の“新しい一面”だ。
山田というと、バラエティー番組『スクール革命』(日本テレビ系)で「早泣き」を披露したこともあるように、瞬時に泣くことが特技。それゆえか、顔立ちの綺麗さもあいまって、これまでのドラマや映画でも、顔面アップの「泣き芝居」を要求されることが非常に多かった。
しかし、泣きの芝居ありきの作品は、どうしても大仰になったり、お涙ちょうだいになったりと、しみったれた印象になりがちで、山田の場合、感動的なストーリーよりも、むしろ掛け合いのテンポのよさや、表情の豊かさの方が演技力を発揮している。