マツコも認めた“ヤンキー気質”

 ちなみに彼女、伊藤が逮捕される2日前には『ノンストップ!』(フジテレビ系)に生出演。空手の話のほか、

お酒、飲まないんですよ、最近。ちょっとたしなむ程度は飲んだりするんですけど、ガッツリとは最近、飲んでないですね

 と、いかにも「飲める人」っぽい発言をしていた。

 また、満島ひかりが演じたヒロインの子供時代の役で女優デビューした『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)の映像も紹介されたが、そこにはこんな台詞が。

お祭り中止になったら、犯人、死刑だよ

 当時から、こういう激しい台詞が似合うキャラだったのだろう。マツコ・デラックスもそこを気に入り、バラエティ番組『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で「その辺を歩いてるヤンキーと構造は変わらない」ところが魅力だと評している。

 とまあ、公私ともにやんちゃな感じが彼女の持ち味なのだが、恋人が逮捕となると「キャラ」だけでは収まらなくなる。有名人カップルとは、そういうものなのだ。

 そこで思い出すのが、伊勢谷友介(44)である。前出の映画『とんかつDJアゲ太郎』の出演者でもあり、今年9月に大麻取締法違反で逮捕された。

 その際、蒸し返されたのが広末涼子(40)との熱愛だ。約20年前、当時トップアイドルだった彼女とつきあったことで、彼は世に知られることとなった。が、この交際中、広末は奇行を繰り返し、クスリ疑惑まで取り沙汰されることに。伊勢谷が逮捕されたことで、この疑惑が再燃するのを危惧したのか、彼女は『ありえへん∞世界』(テレビ東京系)で当時の奇行報道が勘違いや誤解から生まれたと語り、火消し目的かとネットニュースで話題になった。

 これは20年たっても、ふたりが元カレ・元カノとして「似たもの同士」扱いされるということでもある。広末にとっては迷惑な話だが、それもふたりが第一線で生き残ってきたからこそだろう。

 山本と伊藤は今後、どうなるのか。特に伊藤にとってはイバラの道だが、この事件が10年、20年先にも蒸し返されるほど、ふたりが生き残っていけたら大したものである。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。