マーティ役が織田裕二の怪
「織田さんは'90年にフジで放送された『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、主演マイケル・J・フォックスの吹き替えをやっています」
若手スターだった織田は、そのときまだ20代前半。
「棒でしたね。まだちょっと不慣れだったのかな……。主人公の相方・ドクの声を担当した三宅裕司さんはハマっていた感じはしましたけど」
『タッチ』で知られる声優界の大御所・三ツ矢雄二が別の局で織田と同じ役の吹き替えをしていたのもアダに。
「比較されてしまうとかわいそうですよね。そういったハンディはあったでしょう」
テレビフリークの読者からは“初々しい織田さんの声を思い出す。もちろん演技は棒だけど(笑)”“マイケル・J・フォックスはほかの映画も三ツ矢さんだから違和感アリアリ”などの声が上がった。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はシリーズ化しているが、織田が吹き替えをしたのはパート1のみ。彼はこの翌年、『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)で一躍トップ俳優になった。織田の現在までのキャリアで吹き替え声優はこの1度きりしかないことを考えると、彼にとっての黒歴史なのかもしれない。
時は遡り、こちらもフジで、
「『Mr.Boo! ミスター・ブー』という香港映画の吹き替えもパンチがきいていた」
私立探偵3人組の活躍を描くドタバタコメディー。「助手役2人の吹き替えをしたのが、お笑いコンビ『ツービート』でした。'80年代前半の漫才ブームだったので、彼らを起用するのは話題作りに最適だったのでしょう」と。
日本テレビが大ひんしゅくを買った「芸能人」声優は'83年放送の『スター・ウォーズ』の吹き替えで起きた。