有力視されたアーティストの落選

 NiZiUに加え、BABYMETALも初出場を決めた。こちらは女性のメタルダンスユニット。今年で結成10周年を迎え、海外でも活躍する2人組だ。

「NHKは以前からBABYMETALにオファーしていたとコメントを出しています。NiZiUもそうですが、純粋なアイドルグループというよりは、アイドルの要素を持ったアーティストです。彼女たちは海外での活動がメインでしたが、コロナの影響で日本にいるということも出場の決め手になったかもしれません。そのため、有力視されていた楽器を持たないパンクバンドとして有名なBiSHがはじき出された、という見方もあるようです」(同前)

 出場が有力視されていたが落選したアーティストはBiSHだけではない。ヒップホップユニットの『Creepy Nuts』(クリーピーナッツ)や、スリーピースロックバンドの『ヤバイTシャツ屋さん』、シンガーソングライターの岡崎体育などの出演を楽しみにしていたファンは多いはずだ。

「ヤバTは落選直後に、“僕たちは既に2021年の年末のスケジュールを空けております”とツイートしていました。もはやファンにとっては落選はおかしい!とい状況になっています。NHKは毎年、選考理由を“総合的に判断”としていますので、支持する年齢層に偏りがあったのかもしれません。『香水』がヒットした瑛人や、『鬼滅の刃』でブレイクしたLisaのように、一気に幅広い層に知れわたれば文句なしということでしょう」(前出・テレビ誌記者)

 そして今年の紅白で最大の注目となるのは、やはり嵐になるのではないだろうか。嵐の紅白への貢献度は高く、2010年から2014年まで5年連続して白組の司会を務め、16年には相葉雅紀、17年には二宮和也、18年と19年は櫻井翔が個人で白組のリーダーを務めあげた。今年は活動のラストイヤー、しかも“最終日”ということで紅白での生パフォーマンスが期待されたが、中継になると言われている。

「無観客開催となりますが、今年はコロナでおうち時間での年越しとなる家庭が増えるでしょうから、視聴率も全体的に上がるのではと見られています。それだけに嵐の大トリがなくなったいま、視聴者をガッカリさせないよう、事前収録や中継など、無観客ならではの工夫で、追加の目玉やサプライズも準備しているかもしれませんね」(同前)

 今年も残すところあと約1か月。コロナ禍での無観客紅白、嵐のラストデー&ラストライブ、歴史を刻む1日となるだろうかーー。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉