20歳を迎えたころ、後輩のたのきんトリオが大ブレイク。
川崎は「アイドルにしがみついていてもダメ。ステップアップしたい」と、子どものころから夢見ていたミュージカルに挑戦し、オーディションで劇団四季の『キャッツ』や、海外ミュージカル『スターライト・エクスプレス』への出演を射止めた。
ジャニーさんは「武道館を一夜にして満席にするよりも、ひとつの劇場を毎日、満席にする役者になってほしい」と応援、メリーさんは「オーディションを受けなさいよ。麻世が、そのための勉強に使うお金は惜しくない」とバックアップしてくれた。
メリーさんからハグとキス
心残りを抱え続けていたなかで届いたジャニーさんの悲報。お別れ会でのメリーさんとの逸話を明かした。
「ちゃんと謝りたくて、メリーさんに本当にごめんなさい。かわいがっていただいたのに、いろいろとご迷惑をおかけしました」と、頭を下げた川崎に、メリーさんは「そうよ。でも頑張りなさいよ。今度、行く?」と飲む仕草をした。
そして、川崎を近くに寄せ、ハグと頬にキスをしたという。「メリーさんが“I LoveYou”と言ってくれて……。ドーンと肩の荷が下りました。ジャニーさんが、そういう機会を作ってくれた」と目を潤ませた。
「外の厳しさを知って、自立して生きていくことができたので(退所は)後悔してないです。(最近、ジャニーズ事務所を退所した後輩たちには)大人になって、新しいことにチャレンジしたいとうずうずしているんじゃないかな。それぞれの生き方があるけど、心の中にはジャニーさんへの思いがずっとあると思います」
川崎麻世(かわさき・まよ)
ジャニーズ事務所退所後、30年所属した事務所をやめ今年7月、新事務所に移籍した。「(コロナ禍の)ホームステイ期間中にいろんなことを考えての決断です。令和の時代を生き抜きたいなと思い、間口を広く活動したいです」。これまでは舞台中心だったが、映像にも意欲的で、初主演映画『ある家族』が来年6月公開予定。舞台『夜明けのうた』(来年1月17日~東京・渋谷区文化総合センター大和田さくらホール)に出演