毎日実践! 口の筋トレ&エクササイズ
飲み込む、噛む、唾液を出すなどの口腔機能を高める、口と舌の体操をご紹介!
【1】口の開閉と口輪筋の体操
口の開閉は、咀嚼に使われるこめかみ上の側頭筋と頬の後ろの咬筋(こうきん)の筋力アップに。また、舌を上あごに押しつけてかみしめる動作は、舌の筋力をアップさせて、嚥下機能の向上に役立つ。頬をふくらませたりしぼませたりする動きは、口輪筋に効果的。朝晩2回行います。
(1) 人さし指をこめかみに、親指をあごにあて、ゆっくりと大きく口を開けて「アー」と声を出す。
(2) しっかりと口を閉じて、口の両端に力を入れながら、舌を上あごに押しつけるようにして、「ンー」と声を出しつつ奥歯をかみしめる。(1)~(2)を3回繰り返す。
(3) 頬をふくらませて、舌を上あごに押しつけ、口から息がもれないようにこらえる。
(4) 息を吸うように口をすぼめる。(3)~(4)を3回繰り返す。
【2】ブクブク&ガラガラうがい
実は、複雑な口腔機能をきたえられる“うがい”。ブクブクとゆすぐ動きは、水がこぼれないように口輪筋を締めるという頬の筋トレに。ガラガラうがいの動きは、舌の奥の筋力を高め、嚥下機能を維持する訓練になる。1日に数回行い習慣化しよう。
(1) 水を口に含んで頬全体をふくらませ、10秒ほどブクブクして水を吐き出す。
(2) 水を口に含んで上を向き、のどの奥で15秒ほどガラガラして水を吐き出す。
【3】舌の体操
舌と舌の動きに関する筋力の向上に役立つ体操。舌の動きがよくなると、唾液も出やすくなり、ゴクンと飲み込む動作がスムーズになる。誤嚥の防止に効果的。朝晩2回行います。
(1) 口を開けて、舌をできるだけ出す。
(2) 上唇を舌先で触るように上へ持ち上げる。
(3) 左右の口の端を舌先で触るように左右交互に動かす。この動きを3回繰り返す。
【4】パタカラ体操
「パ」は食べ物を口からこぼさない唇の働き、「タ」は上あごに舌をくっつける嚥下の働き、「カ」は誤嚥せずに食べ物を食道に送る筋肉の働き、「ラ」は滑舌をよくする働き。唇、舌の先端、舌の奥を意識しながら2セット行います。
「パパパパパパパパ」唇をはじくように8回発声。
「タタタタタタタタ」舌先を上の前歯の裏につけるように8回発声。
「カカカカカカカカ」舌の奥を上あごの奥につけるように8回発声。
「ララララララララ」舌を丸めるように8回発声。
(パタカラを2セット)
《便利なアプリも!》
スマートフォンのマイクに向かって発音すると、口の筋肉の働きを「良好」「少し心配」などチェックできて、トレーニングのガイドも。
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(取材・文/樫野早苗)
《PROFILE》
平野浩彦 ◎東京都健康長寿センター歯科口腔外科部長、歯科医師。専門は老年歯科学。オーラルフレイル研究の第一人者として、臨床のかたわら研究も行い、講演も多数行っている。