自分のヤバさを知ることで
相性のいい人を選べる
勝地の大ブレイクのきっかけは、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で演じた「前髪クネ男」ですが、あの演技は、先輩である古田新太の演技指導を受けて生まれたそうです。いわば古田は彼の“恩人”なわけですが、古田は先の『人生最高レストラン』で勝地に「もう先輩なんだから、後輩を優しく見ろ」とアドバイスしていました。勝地も「古田さんはアメとムチの使い方がうまい」「僕はムチしか持ってない、厳しく言ってしまう」と自分の足りない部分を認めていました。
結婚生活は助け合いですから、後輩の面倒を見られない人は向かないと思うのです。それでは、なぜ勝地は後輩の面倒をうまく見られないのでしょうか? それは彼自身が今、仕事をがむしゃらに頑張る時期で、周囲を客観的に見る余裕がないのだと思います。多くの人は自分に自信がつくと自然と周囲にも優しくなれますから、勝地もそうなってから結婚するのが、タイミングとしては適切だったのかもしれません。
外野がいろいろ言ってもすべては後の祭りですが、結婚は優れた人がするものではありませんし、離婚は失敗とも言いきれないことは確かでしょう。人はみんなヤバいものだと私は思っていますが、自分のヤバさを知っていれば、相性のいい人を選ぶことができます。また、自分がヤバいと夫婦それぞれが自覚を持てば「ヤバいのはお互いさまだよね」と結婚生活のヤバ化を防ぐこともできるでしょう。
結婚願望のある人は、どうか考えすぎず、相性とタイミング、そして自分のヤバさをよく見極めていただきたいものです。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」