「不思議とみんなが大好き」

 そんな状況が「極度の人見知り」をよけいに加速させ、ひいては「ソロキャンプ」という才能を開花させたのだから、人生はわからない

 昨年11月には『ボクらの時代』(フジテレビ系)に登場。西村瑞樹(バイきんぐ)や阿諏訪泰義(うしろシティ)といったキャンプ芸人の後輩とともに、その中央で大いに語った。

 彼は最近、山を買ったそうで、次は「無人島欲しいな」という願望も告白。実は最初のブレイクでも、高級車のジャガーを買ったり、風俗通いが報じられたりした。今回は「極度の人見知り」らしい方向に散財の目的が変わってきているものの、それなりに浮かれやすい人でもあるのだ。

 実際、番組ではこんな話もしていた。

「俺の人生のなかでさ、みんなで、っていう言葉が大嫌いだったの。キャンプもそうじゃん。みんなでやるのはもうイヤだと思って、ひとりで行き始めたんだけど、これが不思議とさ。みんなから離れようとしたらさ、集まってきたんだよ、みんなが。だから今、不思議とみんなが大好きになってるんだよ」

 楽しそうで何よりだが、ちょっと心配にもなる。気心の知れた、わかりあえる「みんな」はともかく、2発目を当てたことで集まってくる「みんな」は離れていきやすいからだ。

 もっとも、そんなことはヒロシ自身が誰よりもわかっているだろう。このブームが去ったときはまた、味のある自虐ネタにして笑わせてくれそうだ。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。