愛ちゃんのこれまでのやり方は通用しない

「見られる」ということに関しては、リョーコより愛ちゃんのほうが場数を踏んでいると言えるでしょう。愛ちゃんは4歳くらいのころから、「卓球の天才少女」としてワイドショーやバラエティー番組でちょくちょく見かけました。「オリンピックを目指している」と公言し、大人顔負けの腕を披露しますが、負けそうになったり、実際に負けると泣いてしまう。そんな姿がかわいくてウケたのだと思いますが、人に見られることに慣れたことが関係したのか、愛ちゃんは2008年の『FRIDAY』にテニスの錦織圭選手との路チューを撮られたりもしています。

 しかし、本業の卓球を怠ることなく、夢をかなえてオリンピック選手になります。「あの愛ちゃん」がオリンピック選手になったわけですから、メディアは過去映像も公開しつつ愛ちゃんを追いかけ、ますます愛ちゃんは「見られる」ことになります。

 さらにSNSが出現し、私たちは好きな時に自分を「見せる」ことができるようになりましたし、フォロワーの多さがビジネスにつながる時代です。愛ちゃんは中華圏に多くのファンを持つそうですが、愛ちゃんが結婚式の様子や夫とのイチャイチャを「見せる」のは、ビジネスとしてもファンサービスとしても「当たり前」なのかもしれません。「幸せアピールをすると、うまくいかなかくなったときに恥ずかしいからやめておこう」と保険をかけるのは凡人の発想で、「今が幸せだから、アップする(先のことは知ったことではない)」というのが、「見られるのが好き」な人の発想なのではないでしょうか。

『週刊女性PRIME』は3月10日配信記事で、《福原愛、“台湾限定”発売のエッセイに書かれていた「離婚したがる理由」のすべて》、『女性自身』は3月9日配信記事で《福原愛 夫の帰国要請を拒否!親権失う可能性浮上も離婚決意か》と離婚は不可避のように報じるメディアは多いようです。

 離婚したからヤバい呼ばわりされる時代ではありませんが、お子さんがいる以上、「見せてはいけないもの」もあるはず。愛ちゃんは、これまでの「見られるのが好き」なやり方では通用しないことに気づく必要があるのかもしれません。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」