《いつも僕の居場所を守って、ずっと寄り添ってくれて、僕の決断を尊重してくれた、紫耀、廉、海人、岸くん、神宮寺には言い表せないくらいの感謝の思いでいっぱいです》

 3月31日をもって『King & Prince』の脱退と、ジャニーズ事務所からの退所が発表された岩橋玄樹が、公式HP上でメンバー5人への感謝の思いを綴った。岩橋は持病のパニック障害の治療のため、2018年11月から活動を休止していた。

「一時は活動再開の見込みがあったものの、結局はそのまま退所という流れに。2018年5月にデビューした6人は、ジャニー(喜多川)さんが手掛けた最後のグループとなり、“ポスト嵐”の最右翼とも期待されていました。メンバーたちは今回の退所をどう思ったのでしょうか」(スポーツ紙記者)

 もとは平野紫耀、永瀬廉、高橋海人の『Mr.King』と、岸優太、神宮寺勇太岩橋玄樹の『Mr.Prince』と、それぞれ3人組のライバルグループだった6人。そんな彼らが手を取り合い、ジャニーさんにキンプリとしてのデビューを直訴した経緯がある。

 Jr.時代の岩橋を取材したことがあるアイドル誌ライターが明かす。

小学生時代にはすでにパニック障害を抱えていたようです、さらにいじめを受けていたこともあって周囲になじむことができなかったそう。それでも中学生でジャニーズに入所すると、同期の(神宮寺)勇太くんと出会い、ケンカも絶えなかったそうですが、なんでも話し合える無二の友となったのです。

 玄樹くんが言っていたのは、“僕の場合は(パニック障害で)素のままでステージに立つのは無理。アイドル・岩橋玄樹のスイッチをONにして切り替えなくちゃいけない”と。入所から8年、親友とようやく掴んだチャンスにどこか気持ちが入りすぎていたのかもしれません」

 岩橋が活動を休止してからも、キンプリの人気が衰えることはなかった。デビュー曲以降の5作はいずれもオリコンランキング1位を獲得し、2018年から3年連続でNHK紅白歌合戦に出場。個人としてもドラマやバラエティー番組など、テレビ出演が増えていった。

冠番組を持たないキンプリ

 デビュー以降、順調に芸能活動をしてきたキンプリだが、実現できていないものもある。彼らが主役となったレギュラー番組、つまりは“冠番組”だ。

 2020年にデビューした『Snow Man』の『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)、関西ジャニーズJr.の『なにわ男子』もテレビ朝日系でそれぞれ、4月から冠番組を放送スタート。キンプリは人気グループとされながらも、“後輩”に先を越されているという現状があるのだ。

「冠番組のオファー自体はあったそう」とは、芸能プロダクション幹部。

「特に日本テレビさんはご熱心で、キンプリ初レギュラーをなんとか自局で放送したいだけに企画書も作っていたみたいですね。でも、ジャニーズが、いや、メンバー5人がそれを固辞していたと言います」

 さらなる飛躍のチャンスである冠番組を、なぜみすみす見逃したのだろうか。

「仮にキンプリとして新しいコンテンツを始めようものなら、それこそ岩橋くんは焦りを覚えてしまい治療に集中できなくなる恐れもある。それに紫耀くんや神宮寺くんらの中には“レギュラーは6人揃ってから”という思いがあったようで、つまりはずっと岩橋くんの居場所を守り、復帰を待っていたのだと思います。

 一方の岩橋くんも、そんなメンバーの気持ちを痛いほどに感じ取っていた。これ以上は“5人を待たせてはいけない”と、キンプリの飛躍を願いつつ自ら身を引いたところもあるのかもしれません」(前出・芸能プロダクション幹部)

 岩橋の意志を継ぎ、キンプリはアイドルの“王様”に近づいていく。