のちに、長瀬さんの義弟であることが判明する桐谷健太さんも、「タイガー&ドラゴン」での共演者。家族を支えるケアマネジャーの荒川良々さんは、「池袋ウエストゲートパーク」「タイガー&ドラゴン」「うぬぼれ刑事」のすべてで、長瀬さん主演ドラマにおけるキーマンを演じてきました。

 深い葛藤を抱えた桐谷さんと、長瀬さんが、再び心を通わせていく過程は、滲み入るものがありました。とくに最終話の能舞台の稽古場面で、桐谷さんが長瀬さんに場所を譲るシーンは、2度リフレインされ、2度目のほうで謎が氷塊し同時に涙腺も決壊です。

 このレギュラー演者である桐谷さんと荒川さんをはじめ、このドラマには、長瀬さんに縁が深かった俳優たちが続々と出演します。その様子はまるで、壮行会のようでした。

 SNSでの投稿を見ると、過去の長瀬さんの出演作の共演者が登場するたびに、当時の作品を見直す視聴者があとをたたなかったようです。

 まずジャブは第4話で打たれます。池袋西口公園に「カラーギャングに囲まれたときのために」と首からチェーンをぶらさげた寿一が登場するシーンでは、「池袋ウエストゲートパーク」を想起したクドカン×長瀬ファンの視聴者が拍手喝采。

 さらに、第8話では、「池袋ウエストゲートパーク」で相棒だった佐藤隆太さんがアキレス腱を断裂した寿一を診る整形外科医として、同じく「池袋ウエストゲートパーク」で共演した矢沢心さんが元嫁の出産を担当する看護師として出演し、SNSでは「マサが! 千秋が!」と、大盛り上がりとなりました。

 また、第9話では、「タイガー&ドラゴン」で共演した塚本高史さんが、葬儀屋の役で特別ゲスト出演(この葬儀屋との打ち合わせは、最終回の大どんでん返しの伏線となっているのですが、この時点ではそれは明かされません)。

 “神回of神回”と評された第6話では、やはり、「池袋ウエストゲートパーク」と「タイガー&ドラゴン」、そしてクドカン脚本の映画「真夜中の弥次さん喜多さん」で共演した阿部サダヲさんが出演。

 この出演に関して阿部さんは「自分が初めてテレビドラマでレギュラー出演をした時の主演が長瀬くんだった」と語り、16年ぶりの共演を喜んでいたといいます。

長瀬さんの未来を想起させる演出も

 進行中のドラマを追いかけることがそのまま、役者としての長瀬さんの軌跡をふりかえる仕掛けになっていた「俺の家の話」。

 でも、このドラマに忍ばされていたのは、長瀬さんの過去だけではありませんでした。

 TOKIOを卒業し、ジャニーズ事務所を退所する長瀬さんの、これからの道を想像させるようなシーンもやはり、「俺の家の話」には盛り込まれていたのです。