歌やダンスはもちろん、さまざまなエンターテイメントで、ファンを楽しませ続けているジャニーズのタレントたち。その中で俳優として注目を集める者も数多い。舞台やドラマ、映画などで活躍し、アイドルという枠を超えて輝く彼らの魅力とは─。
「一時代を築いた影響力の大きさから、やはり木村拓哉さんが圧倒的だと思います」
こう話すのはジャニーズウォッチャーとして、多くの記事を執筆してきた田幸和歌子さん。主演ドラマが高視聴率を記録し“視聴率男”とも呼ばれた木村。2001年に放送された『HERO』では、平均視聴率34・3%を記録。視聴者のドラマ離れが報じられる昨今でも、昨年の主演ドラマ『BG~身辺警護人~』で平均視聴率15・6%という数字を残している。
「1993年の『あすなろ白書』の2番手で、取手治役を演じてブレイクしました。木村さんは人の視線を惹きつける天才です。欲しいときに欲しいタイミングで欲しい顔をくれる、天性のアイドルならではの才能です」
演技はもちろん、それ以上に持っている“タレント性”が半端ない、と田幸さんはこう続ける。
「存在感、圧倒的なスター性が魅力。サービス精神も旺盛で、アイデアも豊富な方なので、いろいろな作品の中で視聴者にとって印象的なシーンとなっている多くは、木村さんの力が大きいと思います」
何をやっても“ハマり役”
“何をやってもキムタク”と揶揄されたこともあるが、その存在感ゆえのことなのかも。木村とはまったく違うタイプだが、同じように“何をやっても~”と言われるのが大野智だという。
「仏頂面だったりふてくされた顔で、抑えた演技が多い。その抑えた演技の中から、静かに滲み出る感情のようなものを視聴者が読み解く楽しみがあります。ですから、何をやっても一緒と言われるけど、何をやってもハマり役とも言われるんです」(田幸さん)
2008年に生田斗真と共演し、大野の連続ドラマ初主演作品になった『魔王』は、ファン以外にも評価が高く、彼の演技で号泣したという声も。現在は嵐の活動休止と合わせて、芸能活動を休止している大野、引退説も報じられているが、ファンにまた演技を見せる日はくるのだろうか。
演技派ということでは、2006年にハリウッド映画『硫黄島からの手紙』に抜擢された二宮和也もあげられる。
「掛け合いのリアリティーが突出しているのが二宮さん。台本は自分のセリフの箇所しか読まないそうです。相手がどんな言葉を発するかを知らないことで、より自然なリアクションを引き出しています」(田幸さん)
セリフ回しについても、彼独特のやり方があるという。
「役の気持ちになって、その場の感覚でセリフとして出しています。リアルな会話では、言い淀んだり、詰まったりするもの。だから、台本の言葉を分解し、組み替えているそうです。記憶力と対応力、台本の読解力の高さがあるからこそできるのでしょう」(田幸さん)