レース担当記者に漏らした本音
ただ、隠し事があればあるほど、どこかでふと気は緩む。
空港での取材内容を報じる紙面がある一方で、レース場での取材内容を報じる紙面もあった。それを読み比べると、興味深い。取材したのは芸能記者ではなくレース担当記者だからか、ポロっと本音を漏らしている。活動自粛中にレース活動をしていたことを、自慢げに語ってしまっているのだ。これこそがまさに「語るに落ちる」……。
情報番組デスクの話。
「オンラインを利用してアドバイスするなどレースに参加していたと明かしているんです。工場に行ってエンジニアと話したり、ドライバーの愚痴を聞いたりした、と。全然自粛じゃないでしょ。自粛という言葉も、近藤にとってはその程度の軽いものだったということですよ。
個人事務所が『16日に復帰します』と明言した以上、ジャニーズ事務所退所後も、きっちり自粛していてもらいたかった。自粛を決めたジャニーズ事務所にも唾を吐く失礼な行為ですよ」
レース当日の夜、羽田空港に降り立った近藤の姿を、ワイドショーがとらえていた。そのオンエアを見た前出の番組デスクは、
「あれはなかなかシビアな映像でした」
と気の毒がる。続けて、
「若い男性が近寄り、近藤と一緒にスマホで写真を撮っているんです。ジャニーズ時代ならあり得ない! 写真を撮ることもそうだし、そもそも事務所の人間がガードして、タレントにファンを近寄らせることは、間違ってもありませんでしたからね」
ジャニーズ事務所を辞めたことで、もう誰も守ってくれることはなくなった。そのことを最も肌身に染みて感じているのは近藤で、一般人に対しあまりにも無防備な近藤のあの夜の映像は、近藤の今を象徴するそれだった。
〈取材・文/薮入うらら〉