母がサッカーに詳しくなった(薮)

――サッカーに疎い女性にイケメン選手や観戦アドバイスを

 イケメンといえばクリスティアーノ・ロナウド選手じゃない。サッカー観戦を継続するには若手選手を押さえておくのもおすすめ。10年ぐらいは応援できる。もうすぐスーパースターになるフランスの(キリアン)エンバぺ選手とか。ジャニーズファンが、ジュニアのころから応援してくれるのと同じだと思いますよ(笑)。

知念 確かにね。

 大学の卒論テーマがサッカーで、その取材にバルセロナに行ったけど、いたるところにサッカー場があるんだよ。天然芝できれい。

知念 いい環境だね。

 卒論のタイトルは“地域密着型のサッカー文化を生み出す背景”。なぜ地域とサッカーが結びついているのかというのを裏付けるための取材。親がバルセロナのファンで毎日試合を見ているから好きという子どもや、子どもがレアル(マドリード)のファンになったら縁を切るという親もいたよ(笑)。

知念 おもしろ(笑)。現地の人たちはシートといって年間で席を買っていて代々、受け継いでいるんでしょ。

 印象的だったのは女性もサッカーが好きだったこと。美術館の受付の女性に話を聞いたときには“バルサが好き”“メッシはすてき”と気軽にサッカーについてこたえてくれた。

知念 宏太とは一緒にチャンピオンズリーグ決勝を観戦するために一昨年、スペインに行ったけど、すごかったよね。会場の空気やファンの迫力に圧倒されたし、サポーターがずっと歌っていた。街中でも歌っていたからね。両チームのサポーターがバチバチしている様子も面白かった。

 お祭りだったね。コンサートの女性の黄色い歓声と猛者たちの応援する声はちょっと違うよね。エンタメとしてもすごくて、試合が始まる前のパフォーマンスとか。セット転換が早かった。芝一面に両チームのフラッグが出てきて、それがはけるのがめちゃくちゃ早くて、すごい勉強になった。

 今回のユーロでもショーとか楽しみ。ヨーロッパの人たちには思い入れの強い大会だけど、サッカーに興味がなくても開会式やパフォーマンスを見るだけでもびっくりするんじゃない。

知念 日本ではそういうパフォーマンスはいらないという空気になったりする。でも海外ではアメリカのスーパーボウルは試合だけじゃなくてハーフタイムショーも注目される。どっちも楽しみにされるのはすごいなと思う。

 番組MCとして進行はもちろん、解説者のみなさんから聞き出した、ひとつひとつのプレーを具体的な言葉にして届けることを大事にしたいです。

知念 スペシャルサポーターの僕は専門的なことより、サッカーをあまり知らないという方が素直に楽しめる役割をしたいと思います。

 うちの母は僕がWOWOWでサッカー番組を担当してから詳しくなったよ。母から“モドリッチすごかったわね”と選手の名前を聞くようになるとは思わなかった(笑)。番組がそういうきっかけになったらいいと思いますね。

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