「明らかにルール違反」だが、
石垣議員・菅野氏の回答は
議員会館の使用規則について参議院に問い合わせると、
「国会法第132条の2では、『議員の職務の遂行の便に供するため、議員会館を設け、各議員に事務室を提供する』と明記されています。
また参議院先例録564では、『各種団体の事務所又は新聞雑誌の発行所等他の目的に使用することはできない』とあります」
つまり、議員会館の事務所を、議員としての職務以外に使ってはいけないのだ。
元参議院議員の丸山和也弁護士にも見解を尋ねると、
「議員会館を議員活動の目的外で使用することは違法で、明らかにルール違反です。名刺に国会事務所を書いていたのはもってのほかでしょう」
これについて石垣事務所に事情を問い合わせると、
「お尋ねの名刺や雑誌の制作に石垣は全く関与していません。名刺は、(公設秘書との)兼業届を出した秘書が独自の判断で作成した名刺だと報告を受けています」
菅野氏にも問い合わせると、
「雑誌の所在地や編集場所として議員事務所を使用していた実態は全くない。
一部、石垣事務所の電話番号を記載していた名刺の存在も確認しているが、これは兼職届を出して石垣事務所に勤めていた者が利便性の観点から作成したもので、数枚配布した段階で破棄している」
と国会事務所の使用を否定した。しかし、菅野氏が私的な目的で石垣議員の国会事務所を使用していたのは事実だった──。
菅野氏のサロン会員向けライブ配信は、
国会事務所内で撮影
前出のAさんによると、
「菅野さんの雑誌の定期購読料は月額4500円ほど。日本経済新聞の月額購読料と同額という触れ込みです。これに、菅野さんと交流できるサロンへの参加権もセットでついています。
このサロンでは定期購読者向けに動画配信をしているのですが、その配信を、石垣事務所内で行っていたんです」
過去に公開された動画を確認すると、確かに国会事務所内で撮影されたものが複数確認された。さらに、
「中には、石垣さんが出演しているものもありましたよ。たとえば、2020年4月30日のサロン会員向けライブ配信では、事務所内で2人が共演していました」(Aさん)
石垣議員は菅野氏の雑誌の制作に一切関与していないと返答していたが、実際には、雑誌の特典動画に出演していたのだ。
さらに菅野氏の元支援者Cさんによると、
「石垣議員が菅野さんと動画などで共演するのは珍しいことではありません。
過去には、購読料とは別に参加費を取る菅野さんのサロンの集まりに石垣議員をゲストで呼んで、国会報告をしていたほどです」
石垣議員は、秘書である菅野氏のビジネスを様々な面で手助けしていたわけだ。