大雨当日に焦らないために

 水害対策は雨が降ってからでは遅い。国崎さんは「土地の特性を知ることが防災の第一歩」と話す。

「ハザードマップを確認する方法もありますが、私のおすすめは、国土地理院がWEBに公開している『地理院地図』の【災害の備え】というページです。『土地の成り立ち』という項目の住所欄に入力すると、その土地の地形の形態や成り立ちがわかります。

 河川氾濫や地震の液状化リスクも記載されているので、自然災害マップとしても使えるんです。併せてハザードマップで浸水レベルを確認しておくと、避難経路の指標になりますよ」

 地理院地図で地域のリスクを把握したら「マイ・タイムライン」の作成を。

「マイ・タイムラインとは、大雨や台風が発生したときに自分や家族がとるべき行動を書き込むチェックシートです。国交省のサイトでもシートをダウンロードできますが、東京都の『東京マイ・タイムライン』は情報満載でとても使いやすいので重宝しています」

 ここでは「国崎家のマイ・タイムライン」を掲載する。美容院の予約の変更や買い出しのタイミングなど、実践的な内容なので参考にしよう。

「家の水害対策も重要。ベランダの排水口を日ごろからキレイにしておくと、大雨時のベランダ浸水が防げます。雨戸やシャッターがない家に住んでいる人は、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っておくと安心。強風でモノが飛んできて窓が割れても、部屋に破片が飛び散りにくくなります」

 さらに、プラスチック製のダンボール“プラダン”を常備しておくといい。豪雨台風のときに、窓の内側にこれを設置すると窓の補強になる。

「防災リュックの中や食料の備蓄は地震の備えと同じでOK。ただし、雨具は上下セパレートのレインコートを選んでください。アウトドアブランドのレインウエアなら、撥水性が高く、おしゃれで機能的なのでおすすめです。雨具のポンチョは強風に煽られて視界を塞いでしまうので大雨・台風の避難には不向きです」

 大雨予報や台風の上陸が判明したタイミングで自宅の防災グッズを再確認。電池など足りないものがあれば、2日前の買い出しで購入を。

国崎家の風水害時マイ・タイムライン

3日前……窓の安全性の確認、雨樋やベランダの排水口を掃除する

2日前……食料品や備品の買い出し。大雨予報の2日前には美容院や歯医者の予約変更

1日前……会社や子どもの学校に連絡して対応を確認。電車の計画運休情報もチェック

当日……断水や停電に備えて、食事やお風呂は早めにすませる

事前に決めておくことで落ち着いた行動につながる