同じように、小島慶子も出演する番組をすべてチェックされ、ファクスが束になるほどの感想を送られるなど大人になっても母から過干渉を受けていた。それでも期待に応えようとしていたが、7年間距離を起き、自分を取り戻したという。
また杉本彩は父が借金の保証人になって貧困となり、母は愛想を尽かしてほかの男と出ていくなど家庭が崩壊、16歳で自立して芸能活動を開始。後に仕送りをしていた母を、妹夫婦のもとから呼び寄せようと仕送りを止めた途端、暴言を浴びせられるなどしたそうだ。
杉本は母についてブログで「人の悪口と恨みつらみしか口にしない」「若いころから数々のひどい仕打ちを母から受けている」と書き、絶縁した。このように小島と杉本は実家とは違う世界を自分の力で得て、連鎖を断ち切っている。
酒と暴力を浴びせる親
「毒親育ちの人には、自分の子にも同じことをしてしまうのでは、という連鎖の恐怖があるんです。芸人の若井おさむさんは母と兄から虐待されたことで、結婚後に妻から子どもがほしいと言われ、父親になるのが怖くて離婚を選んだ、とインタビューで語っていました」(成田さん)
芸能界には、かなり壮絶な家庭で育っている人もいる。
「遠野なぎこさんは、酒・借金・暴力の父から虐待を受け、母は男性をとっかえひっかえして1週間放置されたり、付き合っている男の下半身の写真を見せられたといいます。両親が離婚後についていった大東駿介さんは、母が男と出奔してネグレクト状態となり、中学生から極貧ひとり暮らしするなどかなり壮絶ですね」(前出・スポーツ紙記者)
中でも成田さんが驚いたと言うのが、女優の小川真由美から受けた壮絶な虐待を、娘でミュージシャンの小川雅代が赤裸々に綴った『ポイズン・ママ』だという。
「昔、小川母子が『ジャングルTV~タモリの法則~』に出演した際、娘が無愛想で、セットを蹴ったりしていて、あのタモリさんでさえ扱いに困るほどだったのですが、この本を読んで数々の虐待を受けていたのを知り、嫌々共演したことがわかりました。
占いを信じて緑と紫のものを排除させ、このままだと悪いことが起こると勝手に改名、放っておかれて食事を与えられずに飢餓状態になったり、中学生の娘(雅代)がいるのに気にせず自宅で性交したり、付き人が金を盗んだのに犯人扱いされたり、悪魔が取り憑いているとおまじないやお札を増やしたり……もうとにかく凄まじい毒親っぷりで、唖然としました」(成田さん)
毒親育ちは大人になってからも自分を傷つけ、苦しむもの。芸能人の告白が、少しでも力になりますように。