「若者のためにも、自分を信じて一票を投じてくれた有権者のためにも最後まで戦い抜きます」
とある週刊誌の取材にそう答えるのは、スーパークレイジー君(本名・西本誠氏)。彼が初めて表舞台に登場したのは、昨年の都知事選。落選するも、特攻服を着て選挙活動をする姿が話題をさらった。
「宮崎県生まれの彼は、最終学歴が中学校卒。少年院に5年入り、逮捕歴は8回。全身にタトゥーが入っていて、ホストやヒップホップ歌手、銀座のクラブの黒服を経験するなど異色すぎる経歴の持ち主です」(スポーツ紙記者)
のちに“都知事選は売名行為”と告白したスーパークレイジー君。そんな彼が今年1月、満を持して挑んだのが埼玉県戸田市の市議選だった。
「彼の親族や友人たちが住んでいて馴染みのある戸田市で出馬したいと思ったそうです」(同・スポーツ紙記者)
結果、定数26人で25位というギリギリ当選を果たしたのだが、
「市民から“彼は戸田市に3か月以上居住している実態がない”という異議申し立てがありました。公職選挙法によると、地方議員は選挙に出馬する前にその自治体に3か月以上居住しなければならない。戸田市選挙管理委員会(以下、選管)が調査した末、4月に彼の当選が無効だという結論が出ました」(戸田市市民)
はたして政治活動をしているのか
この決定を不服として、埼玉県選管に審査申し立てするも7月9日付で棄却された。同県選管に問い合わせると、
「戸田市のアパートの名義が本人でないほか、昨年10月から生活を始めたことの裏付けを認められませんでした」
冒頭の言葉どおり、県選管の決定も受け入れずに高等裁判所に提訴したスーパークレイジー君。だが、戸田市民からはごもっともな声が――。
「どうでもいいけど、彼は政治活動してるの!?」
4月から始まった“当選無効”騒動。その期間も、彼には議員報酬として毎月45万円、6月には期末手当として約120万円(ともに額面)も支払われている。見た目からして仕事をしてなさそうに思えてしまうが……。
同市市議を7期務める山崎雅俊議員に、彼の仕事ぶりについて聞いた。
「この5か月、彼が委員会を休んだことは一度もないと思います。僕の印象は、誠実、真摯に政治活動に取り組んでいる好青年ですよ。ベテランの私に“これはどうやったらいいんでしょうか?”と熱心に質問もしてきてくれます」
子ども食堂の支援も熱心やっていて、
「スーパーマンの格好をした彼が食堂に現れて(笑)。子どもたちも大喜びでしたよ」(同・山崎議員)
元ヤン政治家の素顔は“スーパー真面目君”のようだ。とはいえ、当選無効という立場のまま市議の報酬をもらい続けるのはいかがなものか――。税金をムダにしないためにも、早く彼を政治家として認めるのか否かの判断をすべきだろう。