原田の会見に乱入しようと思っていた
原田 安売りはするな、と。
梅沢 以降、映画の出演交渉は一切来なかったね。それから何十年もたって60歳で映画に初出演したときに「あのころ、高倉健の映画を断った役者がいるとかなり噂になってた」って映画会社の人が言ってたよ。
原田 それで声がかからなかったんですね。
梅沢 本当は出たかったんだけどな……。それが唯一の後悔。でも若いころは舞台を一生懸命やりたいと思っていたから、今となってはよかったのかもしれないね。
梅沢 実は原田さんが女性問題を起こしてMXで会見するって聞いたとき、俺も乱入しようと思ったんだよ。
原田 噂で聞きました(笑)。
梅沢 昔はさ、芸能人の謝罪会見には“仕切り屋”がいたんだ。俺も30代のころに結婚していることが世間に知られて謝罪会見を開いたんだけど、そのときは仕切り屋が来て台本も書いてくれたんだ。
原田 台本があったんですか!? でも、レポーターには台本がないですよね?
梅沢 ないよ。でもこれが、筋書きどおりに行くんだよ。まず、座長のアニキは俺の結婚に反対している敵役、俺はずっと笑顔で謝るだけ、おふくろはずっと泣いてる……という役を与えられて、練習して本番に臨むの。
レポーターがワーッと騒いだら、おふくろが「これでやっと、晴れて私は孫が抱けます」ってさめざめ泣くのよ。そしたらみんな黙っちゃう。
原田 まさに芝居ですね!
梅沢 そう。その自分の会見を思い出して、原田さんの会見を俺がプロデュースしようと思ったの(笑)。
原田 あはは! それはそれで非難されますよ!
梅沢 でも仕切り屋は必要なかったね。会見でのあなたの表情は非常によかった。まるでコントを見てるようだったよ(笑)。視聴者の笑いを誘いながら「そうか、反省してるんだな」って思わせたんだから、うまくやった。名優だね!
原田 コント……。真剣に謝ってたのに!(笑)