食い違う“アンクレット”の出所
左手の薬指に指輪をしている人がすべて結婚している、恋人がいるとは限らないので、アンクレットにしてもしかりと思うのだが、ここで篠原が墓穴を掘ってしまうことに。
アンクレットがグァンスとお揃いではないのかという質問に対し、
《違います。主人からいただきました》
と、答えてしまったのだ。
文春記者は“してやったり”と思っただろう。今度は市村から《(アンクレットについて)知らないよそんなもの。自分で買ったんでしょ?》とのコメントを引き出している。案の定、このアクセサリーが市村からのプレゼントではないことがわかり、疑惑は深まることに。このやりとりが生まれたことで「やっぱり不倫は本当か」と感じる読者も少なくないだろう。
しかしたとえば篠原が、アンクレットに関して
「自分で買った」
と答えていたらどうなっていただろうか。あるいはそれ以前に、彼女がいっさい何も答えてなければ、この記事の重みはだいぶ違っていただろう。篠原はマスコミを避けることをせず、どんな時もいやな顔を見せず質問に答えてくれるという、その性格の良さはマスコミのあいだでは評判だった。無視すればいいものを……と思うかもしれないが、それでも立ち止まって話しに応じてしまうのが篠原涼子らしさであろう。
《主人からいただいた》
という答えはとっさに浮かんだのかもしれないが、市村とは不仲ではなかったということをアピールしたかったのかもしれない。
しかしながら、この“渦中の人間に同時直撃する”というのは週刊誌取材の鉄則。両者(今回はグァンスも含めた3者)の話す内容の齟齬(そご)が重要な“証拠”にもなりうるし、時差のせいで生まれる“口裏合わせ”を防ぐことができるからだ。双方に配置された記者は直撃するタイミングをうかがいながら、電話などで連携をとりあう。
今回について言えば、篠原の記者に対する彼女の優しさが仇(あだ)となってしまったか、文春記者の腕が光ったというべきか……。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。