8月20日から3日間、新潟県湯沢町で2年ぶりに開催された国内最大級の野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL'21」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で例年よりも入場者数を制限するなか、3日間で延べ35,499人が参加したという。
最終日に登場したのは日本を代表する歌姫・MISIAだ。2018年以来、3年ぶりの出演に気合十分だった様子で、代表曲の『Everything』ほか10曲を熱唱。MCでは「私が言いたいことはね、これだけ。……コロナのバカヤロー!」と叫び、会場のボルテージを上げた。
しかし、このセットリストの“一曲目”がネット上で話題に。
『君が代』でツアーが延期に?
「彼女が選んだのが、東京オリンピックの開会式でも歌った『君が代』でした。緊急事態宣言下での開催自体に否定的な意見も多かったロックイベントで国歌とは何事だ、ということもあり、SNS上で賛否が飛び交いました。
もちろん現地の会場では大きな拍手が沸き起こっていましたが、それと同数の困惑も呼んでしまった。MISIAさんは出演する前日にもホームページで長文のメッセージを発表し、感染対策の徹底を呼びかけていましたし、盛り上げたい一心で『君が代』を歌っただけなのだと思います」(音楽業界関係者)
『君が代』独唱に関してはほかにも、「音楽に政治的思想を持ち込んだ」「ロックフェスで『君が代』を歌っているのが逆に一番ロック」「フジロックもオリンピックも同じだよというメッセージでは?」などと様々な意見が寄せられることに。
このパフォーマンスで批判を受けた翌日の24日、所属事務所のホームページで今年の4月末からスタートしていた全国ライブツアーが“延期”になると発表された。8月28日〜9月14日までの日程で、待ちわびていたファンにとっては直前での通知であったことがわかる。
「政府が新たに緊急事態宣言の地域を広げたこともあるでしょうが、8月21日に9月公演ぶんのチケットの一般発売をスタートさせた矢先のことだったので、業界では“『君が代』の件が炎上したことも延期に関係しているのでは?”ともささやかれていました。所属事務所の関係者も“ネット炎上”について把握していたと聞きますし、何らかの話し合いが行われていたのではないでしょうか」(音楽雑誌ライター)