新型コロナウイルスの行動制限緩和に向けた国による「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験が、12月11・12日に名古屋市の日本ガイシホールで開催されるHey! Say! JUMPのコンサートで実施されることを、愛知県が発表した。
収容人数をこれまでの基準の50%から定員いっぱいの100%に拡大、2日間4公演でのべ3万2000人が対象となる見込みだ。観客のワクチン接種歴の確認やコンサート前後のPCR検査実施、密集状態の把握、マスク着用率などの調査や分析も行われる。
この実証実験は、Hey! Say! JUMPのコンサートだけでなく、全国各地でJリーグやプロ野球の試合、ライブハウスや飲食店などでも実施されるが、なぜHey! Say! JUMPに白羽の矢が立ったのだろうか。あるテレビ誌記者が言う。
「まず、その時期にアリーナ規模でのツアーを開催するのがJUMPだったということがひとつあります」
同じ時期に、関ジャニ∞やSnow Manも同規模の全国ツアーを行っているが、
「実証実験は参加表明をした自治体によって実施されるもので、今回は愛知県によって行われるもの。そこに大規模イベントとして行われるのがちょうどJUMPのコンサートだったということになるのではないでしょうか」
過激なJUMPファンに課せられた実験
そのいっぽうで、「推察でしかないですが、JUMPのファン層も選考材料のひとつになったかもしれません」と語る。JUMPのファン層の特徴はほかのグループのファンよりも若い、と続ける。
「Hey! Say! JUMPは、来年に結成15年目を迎えるグループですが、常に新規の若いファンで新陳代謝され、ほかのグループよりもファンの年齢層が若いと言われています。そのため、若い層への積極的なワクチン接種を、という狙いもあるかもしれません。
また、コロナ関連にかねてから協力的な事務所なので、その流れもあるかと思います。メンバーの山田(涼介)くんは、昨年からステイホームや医療従事者への応援キャンペーンに参加していた“顔”でもあるので、これも理由のひとつかもしれませんね」
若いファン層に加え、Hey! Say! JUMPファンのある“特徴”も白羽の矢が立った理由に見え隠れすると、芸能ジャーナリストが読み解く。
「JUMPのとびっ子(ファンの愛称)は昔から過激なことで有名でした。人気メンバーが通う学校の出待ちをして、ジャニーズ事務所が公式にやめるよう通達をしたことがあった。また地方ツアーの際も、新幹線に乗るメンバーを追いかけホームを爆走し、遅延させてしまったことも。
コンサートでの熱狂度や歓声の大きさもトップクラス。いま、コロナ禍以後JUMP初の有観客コンサートツアーということで、ファンの期待も大きく高まっています。今回の実験は、“JUMPのコンサートで大丈夫だったら”という実績を作るにはうってつけかもしれません(笑)」
実証実験の導入は、ファンクラブでチケットの抽選申し込みの締め切り後に発表された。ファンはどんな心境なのだろうか。前出のテレビ誌記者が言う。
「入場の際に証明書の提出があるなど、めんどくさいと思っている人も多いでしょうが、100%収容ということは、当選確率もアップするので“名古屋で申し込めばよかった!”と思うファンもいるようです」
大きな混乱なく、無事に実証実験ができたのならメンバーはもちろん、ファンの信頼度も上がる。グループの名を汚すようなことはなんとか避けてほしいところだ。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉