メンタルの健康を復活させるには

 しかし、神は麻耶を見捨ててはいません。麻耶は女優として舞台『受付』に出演するそうですが、これはチャンスだと思うのです。バラエティー番組ではキャラが勝負ですから、どうしたら自分というキャラが受け入れられるのか、自分について延々と考えてしまうでしょう。しかし、女優業は「自分以外の人」になることを意味します。稽古に熱中するなど、物理的に「自分について考える時間」を減らすことで、メンタルの健康を復活させることができると思います。

「みんなに好かれたい」と言えば、女優・藤原紀香も同じようなことを言っていた時があります。2018年4月3日放送の『かんさい情報ネットten.』(読売テレビ)では、一時期は自分のブログに関しての批判的コメントに目を通していたと明かし、その理由を「昔はみんなに好かれたいと思っていたからだと思う」と話していました。また、2019年5月31日放送『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した紀香は、親友であるはるな愛に、独身時代は帽子を脱ぐ、サングラスを取るなどの動作が人から見て美しいかどうかを、いちいち鏡の前でチェックしていてヤバかったと暴露されています。

 しかし、そんな紀香にもターニングポイントが訪れます。2016年に歌舞伎俳優・片岡愛之助と結婚し、女優だけでなく、片岡紀香として梨園妻の仕事もすることになったのです。梨園妻はとんでもない激務だそうですが、結婚当初こそバッシングされたものの、今は梨園での評判も上々なようです。他人にどう見えるかをひとりで悶々と気にしているよりも、梨園妻として、夫や得意先など実際に周囲の役に立つ人のほうが評価されるのは、当然のことでしょう。

 スピリチュアルの世界では「すべては必然」というそうですが、もしそうなら、今、このタイミングで麻耶に舞台から声がかかったことも意味はあるはずです。麻耶のぶりっ子キャラは年齢的に苦しくなってくるでしょうし、妹さんのことを話せば「いつまで言ってるんだ」と文句を言ってくる人がいないとも限らない。テレビから離れていることや、舞台の仕事を前向きに受け止め、がんばってほしいと思います。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」