今年も残りあとわずか。テレビに舞台にSNSと、活躍の場を広げてきた新しい地図の3人。『日本アカデミー賞』で最優秀主演男優賞を受賞するなど、今年も俳優業を充実させていた草なぎ剛が、2021年を振り返る。
来年は年男
――舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』の神奈川公演が無事幕を下ろしました。始まる前は「今年いちばん大変な仕事になりそう」とおっしゃっていましたが、いかがでした?
「再演の意味がすごく感じられる舞台になったと思います。初演での無駄をそぎ落とし、よりストレートにメッセージが伝わるものになっているんじゃないかな。ウイというキャラクターもすでに身体になじんでいるので、前回よりもテンポも上がって、ダイナミックな表現ができていると思います」
――肉体的な疲労は?
「正直めちゃくちゃキツいんだけど、まだ踏ん張りは利くかな。やせ我慢してやってます(笑)。ただ、それがこの舞台の醍醐味でもあるんですよね。その場の自分にできる全力をステージの上で放出するみたいな。
もちろんウイのカリスマ性みたいなものも意識はするけど、同時にスポーツみたいな感覚もあって……HIITっていうインターバルトレーニングと似てるんですよ。30秒激しく動いて10秒休むみたいな運動なんですけど、この芝居もそうだなと思うんですよ。セリフをバーッとしゃべって、歌って踊って、相手の芝居で少し休むみたいな。知的で高尚なHIITをやってる気がします(笑)」
――いまは京都公演の真っ最中で、1月には東京公演もあります。
「京都も東京も初めての劇場だからワクワクしてる。劇場が変わることでの変化もあると思うので、すごく楽しみにしています」
――大河ドラマ『青天を衝け』で徳川慶喜を演じ切り、精力的に舞台をこなし、映画『ミッドナイトスワン』では日本アカデミー賞を受賞と今年は俳優業が充実していましたが、来年はどんな年に?
「寅年だから年男なんですよ。若いころは意識しなかったけど、年男とかそういうことを大事にしたいなと思うんです。なので、何に挑むにしても、トラっぽく“ガオー”って戦っていきたいです(笑)」