映画『牛首村』撮影で演技をするKoki,(YouTube『東映映画チャンネル』より)
映画『牛首村』撮影で演技をするKoki,(YouTube『東映映画チャンネル』より)
【写真】すっぴんで通学する女子高生・Koki,の素顔をキャッチ

 それでも作品全体を包む不気味な雰囲気や世界観、忍び寄る呪いの恐怖などの心理的描写は伝わるだけに、『牛首村』は子どもが鑑賞するには十分怖い作品と言える。家族揃って、もしくは子どもたちだけでも安心して観に行けるホラー映画のように思えるが?

「そうですね。ただ、ホラー好きな大人にすれば物足りないと言うか……。子どもに観てほしいのか大人に観てほしいのか、ターゲットがどっちつかずになってしまったような気がします。これまでの清水ホラーを期待して足を運ぶと“あれっ?”と思ってしまう部分があるかも」(同・映画ライター)

 確かにSNS上には、映画を観覧したネットユーザーからの好意的、否定的な感想も含めて《全然怖くない》《ホラー感弱かった》といった声が多く見受けられた。

“G”指定でKoki,を広くPRしたい

 観るものを恐怖させた『呪怨』シリーズなど、多くのホラー作品を手掛けたジャパニーズホラーの巨匠として、ハリウッドでも名が知られる清水監督。そんなホラーの申し子がなぜ、全年齢対象の「G」作品を撮ったのか。

 映画配給会社営業スタッフは、本来の清水監督は「恐怖演出には人一倍こだわりが強い」と事情を明かす。

必要ならば、過激な表現やグロい描写も取り入れることも惜しまない。まあ、監督自身が一番苦手とする分野なんですが(笑)。なので普通にメガホンをとれば、『牛首村』は少なくとも“PG12”作品になったと思います。小説版がそのまま完全実写化されれば“R指定”扱いでしょうからね」

 しかし、『牛首村』はただのホラー映画ではなかった。木村と静香の次女の記念すべき女優デビュー作なのだ。

「ホラーに傾向すると苦手な観客から敬遠されて、ホラーファンばかりが楽しむ作品になりがち。他ジャンルとは違って興行収入が大きく伸びにくいのもそのためです。よって“女優・Koki,”を広くアピールするために、万人が観ることができる“G”作品として撮る必要があったのではないでしょうか。

 良くも悪くも彼女のために撮った印象。これはKokiさんサイド、つまりは静香さんの意向とは言いませんが、デビュー作にホラー映画を選んだのであれば、また女優として本格的に活動していくのであれば、世間のイメージを180度変える、あっと驚くような描写があってもよかったのかな、とは思いますね」(同・映画配給会社営業スタッフ)

 モデルか女優か、Koki,自身が“どっちつかず”にならなければいいけども。