お笑い評論家の江戸川大学西条昇教授は、『イッテQ!』が失速した理由を「新スターの不在」と語る。

「オセロの中島知子さんやベッキーさん、手越祐也さんがそれぞれの事情で番組から卒業。番組発のスターであるイモトアヤコさんも昨年11月に産休に入ってしまいました。コロナ禍でロケに制限が生じたこともありますが、番組を盛り上げたメンバーたちに代わるスターや人気企画が出てきていないのは痛いですよね」

コロナ禍とコンプライアンス問題が

『ポツンと~』に関しては、「安定期に入っただけ」と前出のペリーさんはこう続ける。

「ひとつひとつの人間ドラマは違いますが、“本当に人が住んでいるの?”と山道を登っていき、“本当に住んでいた!”という流れは、フォーマット化してきていますよね。テレビ朝日は『相棒』など安定して数字を取れるドラマをシリーズ化するのもうまいですし、『ポツンと~』に関しても、“よいマンネリ化”の時期に入ったということだと思います。何だかんだ言って、激戦区である日曜8時で、2ケタの視聴率をキープしているのはすごいことですから」

 前出の西条さんは、2番組の視聴率低下の背景に「裏番組や新メディアの台頭」があると分析する。

「現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、三谷幸喜さんのコメディータッチの脚本や若い世代に人気の役者陣などが、13歳から49歳の視聴者を指す“コア層”にもウケています。放送後は、SNSでも大河に関するワードが毎週トレンド入りしていますしね。またコロナ禍以降、中高齢者にもNetflixやYouTubeなどの動画配信サービスが定着したので、これまで2番組を視聴していた層が、少しずついろんなメディアに流れているのでは

初回放送ではツイッターの世界トレンド1位に輝いた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。8話までの平均視聴率は14.8%と好調
初回放送ではツイッターの世界トレンド1位に輝いた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。8話までの平均視聴率は14.8%と好調
【写真】『ポツンと一軒家』について記者が直撃すると番組の魅力を語る所ジョージほか

 コロナ禍に加え、昨今のコンプライアンスの強化の影響があるとの声も。

「『イッテQ!』は宮川大輔さんが世界各国のお祭りに参加する人気企画『お祭り男』にヤラセ疑惑報道が出て、1年以上も同企画の放送を自粛していました。コンプラが緩い時代であれば、ヤラセ疑惑を逆手にとったようなパロディーなどもできたと思いますが、今の時代は無理。

『ポツンと~』も、昔であれば、エピソードを面白おかしく“演出”できましたが、過度な演出をして発覚すると、大問題になってしまうため、どうしても地味な回も出てきてしまう」(前出・制作会社関係者)