波瀾万丈な女優

「沖縄の歌姫には波瀾万丈がつきまとう」とは前出の神無月さん。Coccoと安室奈美恵さんの名前をあげる。

「Coccoはデビュー当時こそ東京で活動していたものの、沖縄言葉でしゃべり、沖縄の原風景を歌って、ほかの沖縄出身タレントの中でもいちばん故郷を体現している存在な気がします。一人称で“あっちゃん”と呼び、周囲をざわつかせ、'01年に活動休止を発表。そのときの『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で『焼け野が原』をはだしで歌い、鬼気迫る感じだったと司会者・タモリさんが伝説の回としてあげるほどでした。

 '06年に“歌が好きになった”という謎の理由で再びカムバックしましたが、いままで歌が好きじゃなかったの? とツッコまざるをえないところも含めてCoccoなんです」(同前・以下同)

 私生活も謎に満ちているが、デビューのときから子どもがいたことを発表。既婚か未婚かは明かされていない。

「いつの間にか故郷に戻っていたり、激やせした身体で誌面を飾る彼女に長年ハラハラしていましたが、先日(4月1日)Mステに出演した際“テレビに出るときは顔を隠して歌う”と宣言し、そのとおりにしていました」

 顔は見られなくても歌声が聴ければそれで十分? 一方、歌声さえも封印してしまったのは安室奈美恵さん。

「沖縄アクターズスクール出身の安室さんですが、家が貧乏で交通費がなく、スクールまで歩いて通ったのは有名な話です。シングルマザーで育ててくれたお母さんは身内に殺害されるという痛ましい事件も。引退後も彼女の噂はさっぱり流れてきません、それはひとえに彼女の幸せを願って守っている地元の人たちの力だと思います、彼女が今も地元の尊敬を集める存在だからこそ。安室ちゃんがこれからも彼女らしく、大事にしてもらえる場所で幸せにしているといいなと思います

 明るい話題が少ない昨今、沖縄の女性たちの強さを分けてもらいたいものだ。

沖縄ブームの歴史
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