――俳優業のほうは?

「俳優の世界は今、適材適所で人を使うという業界ではなくなっているし、後ろ盾がないとダメになっている。この店にも知り合いの映像監督さんが来てくれて“脚本を直したら出て″なんて言ってくれますが、それも実現するかどうかはわからないですね。

 15年も役者をやってないヤツが“はい、ただいま″で通用する世界ではないですよ。もっと気合い入れないとダメでしょって思いたいし」

――今は家族のために、飲食店を続けるしかない?

「そう思ってここに来たのが1年前。人と接するのは好きですから。お客さんに"この店に俳優がいるんですか?"って聞かれたことがあって、"俺です"って言ったらビックリしてました(笑) 」

 伊豆の山中にいる奥さんと子どもたちの近況を話すと、

「みんな、いい子でしょ」

 と満面の笑みを浮かべた。離れていても、松岡はいつも家族を思っている。