長瀬智也・香取慎吾はクドカン作品に
「彼が19歳のときに主演を務めた『ドク』(1996年・フジテレビ系)ではベトナム人の留学生・ドクを演じていました。それまでは天真爛漫な若者、というイメージでしたが、ドクではとても繊細な演技をしていましたよね。それにとどまらず『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(2009年・TBS系)の両津勘吉や、『西遊記』(2006年・フジテレビ系)の孫悟空など、アイドルの枠を超えた振り切れた演技がハマっていました」(沖さん)
『西遊記』は、全話の視聴率が20%を超え、大ヒットを記録。子どもから大人まで楽しめる娯楽作品になっていた。そして沖さんは、前出の長瀬と香取の共通点についてこう分析する。
「長瀬さんはクドカン作品、一方の香取さんは『新選組!』(2004年・NHK)など、三谷幸喜作品に多く出演しています。おふたりとも、脚本家に愛されている役者さんですよね。脚本家の『彼ならやってくれるはず』という期待に、しっかり応えてくれる。双方の信頼関係が、作品の魅力につながっているのかもしれません」
ヒット作のカギは、ジャニーズタレントと脚本家の運命の出会いが握っている?
ジャニーズタレントは、現実ではありえない設定の漫画・アニメ原作作品にも多数出演している。かなつさんが「忘れられない」と語るのは、KAT-TUNの亀梨和也が妖怪人間を演じた『妖怪人間ベム』(2011年・日本テレビ系)だ。
「原作のアニメを見ていた世代なので、いったいどんなドラマになるのかまったく予想がつきませんでした。いざドラマを見てみると、亀梨くんの切ない演技から“人間になりたい”というベムの悲哀が伝わってきたし、ストーリーもしっかりしていて、思い出に残っています」(かなつさん)
漫画やアニメの実写化作品は原作ファンの厳しい視線にさらされがちだが、同作はアニメの世界観やテーマをくんだ硬派な作品として高評価を得ている。