『ラヴィット!』は純粋に「朝からおもしろい」
TBSのこの枠は、2014年まで時事問題を扱わない生活情報番組『はなまるマーケット』を放送し、高い人気をほこっていた。他局と別路線をいくのは慣れていたものの、後継番組である国分太一の『いっぷく!』に『ビビット』、立川志らくの『グッとラック!』の不振が続いていた。
「苦戦が続く中で全く違うことをやらないと、なかなか勝ち目はない。もちろんキャスティングだけでどうにかなる問題でもなく、そんななかでの原点回帰というか、思い切ったことをやるという部分はあったと思います」(同)
前出のテレビ誌記者は、
「長く続くコロナ禍の話題、ロシアのウクライナへの侵攻問題、最近の値上げ問題など、見るとつらくなる話題を取り上げる番組が多い中、笑ってそういったことを忘れられる番組は求められていたのかもしれません。リモートワークによる在宅率も高くなりました。ただただバラエティーを流せばいいというわけでなく、もちろん朝だから手抜きでもいいというわけでもない。ゴールデンでも活躍する人気も実力もあるタレントがズラリと並び、それを川島さんがさばいていく『ラヴィット!』は強いですよね」
と、番組の強みを語る。
川島の魅力について前出の放送作家は、「対応力とコメント力の高さ」をあげ「タレントのキャラクター性を重視する時代が続いてきたが、面白いものは面白いと評価される時代になった」と考察する。
なんで朝の番組に!? という攻めたキャスティングですらも、うまく拾い、うまくイジる川島。『ラヴィット!』は純粋に「朝からおもしろい」番組に成長している。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉