BTSが切り拓いたアジアボーイズグループ市場
『ジャニーズは努力が9割』(新潮社)の著書があり、ジャニーズ事情に詳しい霜田明寛氏に、トラジャの魅力について聞いた。
「AGTの盛り上がりにはびっくりしました。ジャニーズ事務所は海外進出に意欲はあると思うんです。ただ、なかなかタイミングが合わずに半世紀が過ぎてしまった。
トラジャは少年隊以来30数年ぶりにアメリカの舞台に出ていったわけですが、日本の市場と違って“勝ち筋”が見えているわけではありません。現地のリアクションを見ながら、壮大な“実験”をしている。その第一段階として結果が出たということです」
アメリカの“土壌”が変化したことも有利に働いた。
「『BTS』のおかげもあると思います。彼らの成功で、アジアのボーイズグループが受け入れられる“素地”ができていました。そこにトラジャが得意とする“シンクロダンス”を完璧に披露してみせた。トラヴィス氏にも選ばれたということで、もともと外国人の審美眼にかなっているわけだし、ショー要素も強い。日本では同世代の『King & Prince』や『Snow Man』がいて飽和状態にも見えますし、トラジャがアメリカで頑張ってチャンスをつかむ戦略はアリだと思います」(霜田氏、以下同)
不安な要素があるとすれば、休養を発表した吉澤だ。
「彼は振り付けも担当していますし、本人もグループ全体への影響も心配ですね……」
苦難をはねのけ“世界一のスター”を目指せ!
霜田明寛 文科系WEBマガジン『チェリー』編集長。ジャニーズに造詣が深く、テレビやラジオにも多数出演している。'19年には『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)を刊行