第73回 あびる優
「事実は小説より奇なり」などと申しますが、『週刊文春』7月28日号に掲載された《あびる優が告発120分 前夫・才賀紀左衛門の「モラハラDV」と7歳娘「違法連れ去り」》を読んで、「これはヤバい」と絶句したのは私だけではないはず。
タレント・あびる優と格闘家・才賀紀左衛門は2014年に結婚し、1児を授かりますが2019年に離婚しています。2020年12月19日配信の『AERA dot.』の才賀のインタビュー記事によると、才賀が勝手に離婚届を提出し、親権をあびるに譲らなかった原因を「優の酒癖の悪さ、お酒との関わり方を知っているからです。その悪癖を考えると、どうしても娘を渡すことができません」と、離婚の原因が暗にあびるにあると指摘しています。
こういう時、イメージ商売の芸能人はすぐに会見を開きそうなものですが、あびるは沈黙を守った。このことで、「才賀の言っていることが本当だ」「あびる優が悪い」と思い込んだ人もいたかもしれません。
「離婚したらタダの俺になる」と離婚を拒んでいた
しかし、今回の『週刊文春』であびるが独白したところによると、結婚直後から「お前は俺のATMなんだから、しっかり働けよ」などとモラハラを受け、暴力も振るわれていたため、離婚したかったそうです。しかし、才賀は「離婚したらタダの俺になる」と「有名人の夫」という肩書きを失うことを恐れて、離婚を拒んでいたというのです。なので、才賀が離婚届を勝手に出したことはあびるにとってはある意味ラッキーで、表で争うことをせず、離婚直後から東京家裁にお子さんの親権者変更と引き渡しの申し立てをしていたといいます。
昨年、親権者があびるに変更され、引き渡しが確定されたものの、才賀はお子さんをあびるに渡していない、つまり、今は違法に連れ去っている状態にあるそうです。同記事で、弁護士はイギリスやフランスでは、才賀のように裁判で引き渡しが決まったのに従わない場合は刑事罰が科されるけれど、日本にはそれがない。故に“連れ去ったもの勝ち”になっていると解説しています。
あびるは、金銭の支払いを求めることで、間接的に子どもの引き渡しを強制する間接強制執行の申し立てをし、高裁は才賀に「引き渡しをしない場合、1日あたり4万円支払うこと」を命じています。支払いの総額は700万円を超しているそうですが、一切支払われていないそうです。