容疑者がかつて住んでいた実家周辺を取材した。実家は広い敷地内に古い母屋、新しい母屋、2つの納屋があった。冒頭の主婦は、
「祖父母の代までは農家でした。父親はサラリーマン、母親はゴルフ場勤務の共働きだったから、あの子(容疑者)はおばあちゃん子なのよ。父親は現在、地域の区長も務めていて、立派な方なんですけどね……」
容疑者は長男として生まれ、下には妹がいた。地元の小・中学校時代の同級生は、“勉強はできなかったけど、変わった面白いやつだった”と評する。
「中学校時代は野球部で、外野を守っていた。バッティングセンターで140キロの球をビシビシ打てるのに、人が投げる球は全然打てなくて、試合もダメだからずっと補欠。でも、チームを盛り上げてくれるムードメーカーだった」
そのころ、木村容疑者はTM NETWORKのファンだったようで、
「親から高価なシンセサイザーを買ってもらっていた。実家が金持ちで、ほかにもいろいろと親のスネをかじっていたみたい」(同・同級生)
高校は同県水戸市の私立高校へ進学。バスと電車を乗り継いで2時間もかかる場所にあったが、
「学校でいじめにあっていると聞いたことがあった。だから、誰も行かないような高校へわざわざ通ったのかも」(近所の住民)
高校以降、容疑者の姿を近所で見かけた人はいない。近隣住民のほとんどは“自宅にいるのか、働いているのかどうかすらもわからない”という。
「働け!」実家から聞こえた父親の怒鳴り声
容疑者の近況を唯一知っていたのが、前出の近所に住む主婦で、
「家にいたようです。ただ、職に就いたという話は一度も耳に入っていません。跡取りの長男坊なので、親はちょっと甘やかし気味で、自動車も買い与えていたし、成人しても小遣いも渡していたようです。でも、父親の“働け!”という怒鳴り声が聞こえて、その後に警察が来たことも数回あった」
さらには、驚くべき事実が。
「十数年前、車に乗せた女性に悪さをして、逮捕されたことも。女性側と示談になって、実刑にはならなかったと思うんだけど」(同・近所の主婦)
木村容疑者の父親に話を聞こうと実家を訪ねるも、
「今回の事件は、私らは何がなんだか、まったくわけがわからないので……、本当に申し訳ありませんが、勘弁してください」
と弱々しく頭を下げ、その後はひと言も話さなかった。
容疑者は被害女性に対してはもちろんだが、40代半ばまで面倒をみてくれた両親にも深く謝罪すべきだろう。