「韓国の事故? ああ……でも怖くないです。ねー!」
10月31日、東京・渋谷の路上で顔を見合わせながら楽しそうに話すのは、着ぐるみに身を包んだ4人組の学生。この日の渋谷は、3年ぶりとなる“行動制限”の解除も相まって、アニメのキャラクターや露出の多い服など、それぞれ思い思いのコスプレに身を包んだ男女で溢れかえっていた――。
遡ること2日前、10月29日の深夜に韓国・梨泰院で起きた転倒事故。近年、ドラマの舞台にもなり人気を博すこの街で起きた悲劇では、実に150人を超える人々が帰らぬ人となった。犠牲者には2人の日本人が含まれていることが判明しているが、そのうちの1人、26歳でこの世を去った北海道出身の冨川芽生さんの知人はこう語る。
韓国・梨泰院で起きた悲劇、一方の渋谷では…
「今年の6月から、半年間にわたって韓国に留学していた最中の出来事でした。日本にいたころは、ウォーキングの教室に通う一方で、“将来は、海外でアクセサリーのブランドを立ち上げて発信していきたい”と話していました。K―POPが好きで、アイドルのことかはわからないけれど“好きな子がいるから韓国に行く”と言っていましたが、まさかこんなことになるなんて……。突然のことで驚きましたし、残念でなりません」
韓国・梨泰院で起きた悲劇、一方の渋谷では…
あまりに急すぎた冨川さんの訃報。隣国で起こった惨劇を受け、日本のハロウィンに変化はあるのか。『週刊女性PRIME』が10月31日の渋谷を訪れたところ、若者が冒頭のように語った。
「ここ数年はコロナの影響もあったし、“渋谷ハロウィン”に参加するのは今年が初めてです。思ったより、人は少ないかなって思いましたね。これなら事故とかも怖くないなーって!」(4人組学生の1人)
韓国で事故が発生した直後の渋谷は飲めや騒げやの乱痴気騒ぎになっていたことが報じられていたが、どうやらこの日の街は荒れていない様子。夕方5時には大勢の警官が至るところに配備され、拡声器や交通整備のためのテープを手に、その後も徐々に勢いを増す群衆を懸命に整理していた。